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2021年12月25日4 分

GIGAスクール構想の配布端末のおさらい

最終更新: 2022年1月9日

飯塚市は教育分野に特に力を入れている市です。10大ニュースでもランクインしました、国家主導のプロジェクト「GIGAスクール構想」で児童生徒に配布されたタブレット端末について、おさらいしましょう。

まずは配布端末から。

配布端末はこちらの資料を参考にすると、

  • Acer製 chromebook R752TN-G2)

  • DELL製 chromebook 3100 2-in-1

上記二種類のようです。以下の画像は上記リンク先の資料から一部抜粋したものです。

さて、これらパソコンはWindows OSでしょうか?

それとも、MacBookでおなじみ、Mac OSでしょうか?

正解はChrome OSで、WindowsでもMacでもありません。ここの認識を誤ると、最初の一歩から躓くことになりますから、配布される端末はGoogleが作ったOSという認識を持ちましょう。


配布パソコンの特徴を知る


 Windows OSで表を作るときはExcel、プレゼン作るときはPowerPoint、文書ファイル作るときはWordが圧倒的に多いですよね。これらは全てMicrosoft社が開発していて、Officeソフトと呼ばれます。日本国内の民間・官公庁の99.9%はOfficeソフトで書類を作ります。

 Mac OSでもオフィス系ソフトがあり、Numbers、keynote、PagesがExcel、PowerPoint、Wordに該当します。これらはApple社が開発しています。グラフィックが綺麗ですが、ビジネスユースでは少数派です。Mac OSではOffice Macという、OfficeのマックOS対応バージョンがありますから、そちらを使う方が多いです。

 では、Chrome OSでOfficeやMac系ソフトをインストールできるかというとできません。なぜならばOSが違うから。そして、互換性のあるソフトが作られていないことが理由です。ただし、Officeソフトに関してはMicrosoft Office OnlineでOfficeソフトを使うことができます(機能制限はありますが)。

 ここでChrome OSの特徴を挙げます。

  • 起動がめちゃ早い

  • ストレージが少ない代わりに、オンラインストレージを使う

  • 本体がまあまあ安い

  • インターネット環境の下で使うことを前提としている

  • セキュリティはGoogle任せ(一番安心かも)

  • GoogleアプリケーションやWebサービスを多用する方のためのPC

  • WindowsやMacのソフトは大体使えない

  • ChromebookとAndroidアプリは互換性がある(ここ大事)

  • Linux系開発特化マシンとしてアプリケーション開発はできる(専門知識必要)

以下はChrome OSのパソコンで主なユースケースを表にしてみたものです。

 なぜこのタイミングでChrome OSを選定したのかは分かりませんが、WindowsやMacはPC初学者にとってオーバースペックなのは明らかです。

 現地点だと「プログラミングを勉強する」と言う意味では不向きなPCと思いますが、目的や用途次第ではかなり使えるPCです。

 何れにせよ、GIGAスクール構想で児童生徒がパソコンに慣れることは良いことだと思います。その時に、我が国の情報管理とか著作権とかのルールを学べると更に良いですね。

ChromeBookでプログラミングに挑戦したい方のために情報を掲載します。

  1. Chromebookでのプログラミング

    1. 開発環境はLinuxが最適

    2. プログラミング学習はオンライン

    3. AndroidアプリやLinuxアプリで不足機能を補填

    4. 日本語入出力は面倒(英語苦手な方は覚悟すべし)
       

  2. おすすめのプログラミング言語

    1. Python

    2. Java

    3. Ruby

    4. PHP

    5. C(お勧めしない)
       

  3. おすすめのエディター

    • Atom

    • Visual Studio Code

    • Typora

    • AWD


配布端末以外でプログラミングを勉強したい方のために


機械は色々いじって壊して学んでいくのが面白いところです。ただ、端末自体が市から配布されたものや、家のメインマシンだと無茶なことはできません。

そこでお勧めしたいのがRaspberry Pi(ラズベリーパイ)という教育向けのプログラミング教材です。筆者が買った当時は1,500円くらいでした。本体は秋葉原に行くか、正規販売店のスイッチサイエンス社から入手可能です。半導体不足やIoT化が急速に進んでいるせいか、在庫がすぐなくなってしまうようです。

WifiやBluetooth接続ができる「Raspberry Pi Zero WH」というシリーズがお勧めです。

Raspberry Piは略してラズパイと呼ばれ、手のひらサイズのこの機械自体がパソコンっぽく使えます。

(モニタやマウス、キーボード、各接続ケーブルは必要です。Googleサービスも使えますよ)

ラズパイのトップ画面
 

教育向けプログラムが最初から搭載されていて、初めてのプログラミングにはうってつけの機械です。別途ソフト代も必要ありません。本体自体が安いですから、壊しても心理的・金銭的なダメージは少ないでしょう。

ラズパイでは色んなことができて、初級プログラミングの勉強〜開発、ネットサーフィンする程度ならこれで十分です。花壇の自動水やりマシンやドライブレコーダー、ラジコンカー、オーディオなどもラズパイを使って自作できます。夏休みの自由研究に良いかもしれませんね。

飯塚市には九州工業大学情報工学部があり、この分野に非常に詳しい方が多いため、小中学校と連携して遊びも兼ねた教育プログラムがあると面白いかもしれませんね。

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