現在、飯塚市では議員定数削減について議論が交わされています。
飯塚市と同じくらいの人口を有するまちが国内にあるのか探して、見つかった場合は同じようなディスカッションが起こっているのか調べてみたいと思います。
まずは人口や面積から調査してみます。
令和2年国勢調査によりますと、飯塚市は126,486人で、全国1741の市町村のうち219位です。上位20%内に入っていることもあって、全国的には大きい市と言えるでしょう。ちなみに福岡市は1,613,361人で全国5位と主要都市ならではの順位です。
筑豊地区においては
市町村 | 人口 | 順位 |
飯塚市 | 126,486 | 219 |
直方市 | 56,287 | 482 |
田川市 | 46,235 | 569 |
であり、飯塚市は10万人以上の中都市であることがわかります。直方市と田川市は人口10万人未満で小都市に該当します。
全国の中で人口の近い市、特に12万人規模の都市に限定してみますと、全国では以下の14市が該当します。
人口順位 | 都道府県 | 市町村 | 人口 | 面積 | 人口密度 |
214 | 東京都 | 国分寺市 | 129,353 | 11.46 | 11,287.35 |
215 | 山口県 | 岩国市 | 129,226 | 873.72 | 147.90 |
216 | 静岡県 | 富士宮市 | 128,147 | 389.08 | 329.36 |
217 | 愛知県 | 瀬戸市 | 127,869 | 111.40 | 1,147.84 |
218 | 宮城県 | 大崎市 | 127,381 | 796.81 | 159.86 |
219 | 福岡県 | 飯塚市 | 126,486 | 213.96 | 591.17 |
220 | 東京都 | 小金井市 | 126,253 | 11.30 | 11,172.83 |
221 | 沖縄県 | うるま市 | 125,406 | 87.02 | 1,441.12 |
222 | 鹿児島県 | 霧島市 | 123,205 | 603.16 | 204.27 |
223 | 熊本県 | 八代市 | 123,146 | 681.36 | 180.74 |
224 | 三重県 | 伊勢市 | 122,855 | 208.35 | 589.66 |
225 | 山形県 | 鶴岡市 | 122,454 | 1,311.53 | 93.37 |
226 | 北海道 | 江別市 | 121,145 | 187.38 | 646.52 |
227 | 奈良県 | 橿原市 | 120,972 | 39.56 | 3,057.94 |
人口と面積、人口密度に関しては、全国の市町村の中で三重県伊勢市が一番近い町ということが分かりました。伊勢市と言えば「天照大御神」を祀る伊勢神宮、おかげ横丁、赤福本店の「赤福」等々、観光・食に関する情報が思い浮かびます。
飯塚市と伊勢市を比較してみる
飯塚市と伊勢市の人口増減率と高齢化率を比較してみましょう。(赤:飯塚市、青:伊勢市)
国勢調査の数値を参照し、グラフを作成したところ、上図のように人口増減率と高齢化率も同様の傾向にあることが分かります。日本において高齢化と人口減少は課題となっていることもあり、大都市圏を除けば当然の結果であるのかもしれません。
飯塚市と伊勢市で産業構造を単純比較しても意味はありませんが、まちの違いとして参考までに記載したいと思います。飯塚市はバランスが取れているように見えますね。
伊勢市の議員定数を調べてみる
では、人口、面積、人口密度とも同等程度の条件である伊勢市の議員定数について調べてみました。
飯塚市:28名
伊勢市:26名(24名になることが決定済)
と飯塚市よりも2名少ない状況です。近い人数であったため更に調べてみると、飯塚市のように伊勢市でも議員定数についての議論が交わされていました。
伊勢市議会では議員定数検討会が設置され、令和2年9月定例会にて「伊勢市議会議員定数条例の一部を改正する条例(議員定数2名減とする条例)」が可決されました(この条例は令和3年4月1日から施行)。
伊勢市の議員数変化を見ると、徐々に減ってきていることが分かります。
平成17年11月以降 議員定数 34名
平成21年11月以降 議員定数 28名
平成29年11月以降 議員定数 26名
伊勢市の場合も議員定数削減については
人口5千人あたり議員1名と考えるべき
伊勢市の人口減少の状況や近隣の市議会及び類似団体の議員定数の状況などを考慮・比較して削減すべき
議会の持つ監視・監督機能、市民の意見を吸い上げる機能の面から考えれば削減すべきでない
市の予算規模、業務量、課題の増加に鑑み、議会の審議事項等が増えており、議員定数削減は住民福祉の向上につながらず現状維持とすべき
等の意見があり、会議を重ねた結果、賛成多数で26名から24名に2名削減することが決定しました。
現在、飯塚市では28名から24名へと4名削減することについて議論が交わされています。
ときには周囲を鑑みることも必要ですが、飯塚市は飯塚市の状況から判断し、適正と考える人数で議員定数が決定されることを願うばかりです。
コメント頂きありがとうございます。
比較して何の意味があるのかはさておき、議員定数で似た課題に直面していたことは意外な結果でした。市の状況で増えたり減ったりは適宜判断できているってことで良い面もあると思いますので、ベストな人数で着地してほしいですね。
産業大分類別の構成比が飯塚市はバランスがとれているのが印象的です。建設業、製造業、卸売業小売業、医療福祉がほぼ一緒ですね。中でも医療福祉が他の地域よりも割合が多いのが目立ちます。飯塚病院のおかげかな?
飯塚市に条件の近い伊勢市の議員整数が26人で24人になることが決まっているというのも、飯塚市と同じ。ただ飯塚市はもういちど28人にもどそう!という声もでているそうなので、議員の数が何人がいいのかいろいろな角度から考えて見たいです!