[バス時刻をLINEが即答]DXでアプリ開発が変革した例を体験する
更新日:2021年10月25日
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタル技術を用いることで生活やビジネスが変容することを意味します。
今後の技術社会においてDXは避けて通れない重要ワードです。と言うのも今後、国レベルにおいてデジタル庁がDXを大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを今後5年で一気呵成に作り上げることを目指しているためです。(引用:デジタル庁の組織情報>概要)地域自治体においても同様にDX技術の普及は広がっていくものと推察します。
ここではIT化とDXの違いを説明します。
また、本記事を執筆するにあたり、アプリケーション開発におけるDX例を私生活に無理やり当てはめてみた例を紹介します。以下の文章を読み飛ばしたい方は実践編をクリックしてください。
IT化 ≠ DX。ITは量的変化、DXは質的変化
先に申しますとIT化、DXとも明確な定義はありません。しかしながら、それぞれの言葉が指す内容には違いがあります。
IT化 ・・・ 既存の業務プロセスを維持したまま、その効率化・強化のためにデジタル技術やデータを活用すること
DX ・・・ 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること(経産省 DX推進ガイドラインより)
上記説明のように、DXはデジタル技術の活用によって製品・サービスやビジネスモデルに変革を起こすものです。IT化はDXの手段であり、DXはIT化の先にある目的であると考えられます。
DXは注目を集めていますが、必ずしも必須とする技術ではありません。例えば、
①年賀はがきを一枚一枚手書きするのは大変だからプリンターを買う
これは目的が大量の手書きを自動化する既存プロセスの効率化です。大量のはがきをスイッチ一つで捌くことができ、IT導入によって量的な変化が生じます。
②クリスマス明けまでにポストへ投函しなければ元旦に届かない、という毎年恒例の年賀はがき投函課題を解決するために、期日なく全員が確実に元旦に届くようITで解決する※
この場合は目的が自動化ではなく、媒体の変化、物流の変化、ビジネスモデルの変化が生じ、年賀はがき文化の変革を目指すことになります。ITを活用してビジネスモデルを変える質的な変化が生じます。
(※例がいまいちだったかもしれません)
ビジネスの現場において、IT化とDXへの理解度はこれから進んでいく状況にあり、DXの社会実装例の増加に伴い明確に分かれてくることが考えられます。
以降の文章は、ソフトウェア開発業界におけるDXの一つ、ノーコード開発/ ローコード開発(プログラムを記述せずにアプリケーションを開発すること/ 可能な限りプログラムを書かず迅速にアプリケーションを開発すること)を利用した実践例をご紹介します。
アプリ開発の実践例
[背景]
「次のバスはいつ来るんだっけ?」
というのをLINEが答えてくれたら便利だと思いませんか?アプリからバスの時刻を調べることはできますが、いつも使っているバスなのに、いちいち場所の名前を入力して検索するのは面倒くさいと筆者は思っています。
そこで今回はLINEが勝手に答えてくれる、LINEが自分専属の秘書になるようなアプリケーションを開発します。
[用意するもの]
ノートパソコン(WindowsでもMacでも可)
LINE
やる気
[方法]
Googleスプレッドシートに普段利用しているバス時刻を入力する
LINE Developersに登録する
LINEボットを作成する
いつバスが到着するかの計算式を作る
LINEで返信できる仕組みを作る
LINEに画面を組み込む
動くか確かめてみる
[結果]
どんな仕上がりになったか以下画像をご覧ください。
バスの区間はよく使う飯塚バスセンター ~ 天神間に設定しました。
(今回は本区間ですが、自分で作るため何区間でも設定できます。)

[効果]
今まで:アプリを起動→バス停名入力→行先入力→時刻入力→確認;5ステップで約40秒
今回:LINE起動→ボタンをタップ→確認;3ステップで約5秒
[所要時間]
約3時間
[費用]
0円
いかがですか?まるで有能な秘書がバス到着までの時間を即答してくれる感じがします。ちなみに、本アプリを開発して分かったのですが、普段自分が利用している電車にも応用することが可能です。
自慢したいがために記事にした訳ではありません。今回のアプリは本来プログラマーが1カ月以上要するであろう作業を、僅か3時間程度で作れてしまった点に注目いただきたいです。(→この変革こそまさしくDX) もちろん、小学生でも頑張れば作ることができます。プログラム教育が普及する中、コンピュータ理論を学ぶことも大事ですが、こういった先端技術に触れて成功体験を得る、ものづくりの楽しさ、デジタル技術への興味・関心を高めることも同じくらい大事なことと考えます。
ご興味があれば、是非みなさまも一度チャレンジしてみてください☆