請願、陳情とは何かをご存じでしょうか。どちらも似たイメージがありますが両者は明確に異なります。本記事では請願と陳情についての基本的な情報をまとめて、実際に請願に向けて著名活動が行われている実例を紹介します。
請願とは
請願とは、国や地方公共団体(都道府県や市区町村)が行う仕事に関係することについて、国民(市民)が直接意見や希望を述べることです。請願は、日本国憲法第16条に定められた国民の基本的人権のひとつです。
地方議会(市区町村の議会や都道府県の議会)に対する請願には、1人以上の議員の紹介が必要で、文書にして提出しなければなりませんが、書類の形式と手続に問題がなければ受理されます。詳しい書類形式などは市の公式サイトや市の担当者に情報を得るなどして予め把握することが大事です。
陳情とは
陳情とは、請願と同じように、国や地方公共団体(都道府県や市区町村)の役所などへ、実情を述べて問題の解決や改善などを求めることです。「陳情書」のほか、「要望書」「意見書」「嘆願書」「要請書」などのタイトルでも陳情書と同じです。 請願との大きな違いは、請願のように憲法に保障された権利ではなく、法的な効果が発生するものではありません。このため、一般的な手続や形が法律に定められていません。また、陳情の提出には議員の紹介も必要ありません。
両者を比べると、市議会議員の紹介が必要な請願よりも陳情の方が自由度が高くて活動しやすい印象を抱くはずです。しかしながら、陳情は行動を起こす側の自由度が高い分、提出された陳情に対して付託するか否かは委員会が判断します。そのため、陳情は請願と比べて軽く扱われてしまうのではないかというイメージがあります。
請願・陳情の内容は法律上何ら規定はありませんので、
【例】インバウンド収益強化に向け、市のシンボルとしてスカイツリーを凌駕する巨大タワーを建ててほしい。
などという尖った内容であっても形式的要件さえ整っていれば提出できます。無論、それが支持されるかどうかは別問題です。
色々と書きましたが、請願も陳情も多くの市民の意見が集積された貴重な書類です。全国の地方自治体全てとは断言できませんが、多くの自治体は請願も陳情も真摯に取り扱います(と信じています)。
下図は千葉県習志野市のサイトから引用した請願と陳情審査の一般的な流れを可視化した図です。ご参考までに。
図引用元:千葉県習志野市(請願・陳情を提出したい方へ 習志野市ホームページ (narashino.lg.jp))
尚、飯塚市の請願・陳情に関しては市の公式サイトに情報が掲載されています。もし今後請願・陳情を検討される場合はルールに沿って活動できるよう、予め把握しておきましょう。
飯塚市の請願・陳情の作成/提出方法:飯塚市/請願・陳情 (iizuka.lg.jp)
現在活動中の請願に向けた署名活動のご紹介(以下転載)
【趣旨】
飯塚市は飯塚オートレースの36億円スタンド建設を中止し、経営計画書を作成して議会で議論して欲しい。
提出先:飯塚市
担当者:飯塚市議会事務局 議事調査係
活動詳細
こちらをクリックすると詳しく説明したPDFデータが見れます。 ■ 活動の概要 飯塚市が進めているオートレースのメインスタンド建設計画の中止を求める署名活動です。工事契約議案が提出される予定の3月議会に署名を添えて中止を求める請願を出すこととしています。 ■ 活動立ち上げの背景・理由 私たちの住む飯塚市は、福岡県の中央に位置し、全国で5場しかないオートレース場があります。 このオートレースは、昭和32年に炭坑閉山による市の財政難を打開するために開設されました。 開設以降、順調に伸び続け、入場者数は昭和49年度の152万人、売り上げは平成3年度の424億8500万円がピークになります。 この間、昭和32年度から平成9年度までの41年間、総額587億4600万円を市へ繰り入れを行い、その財源確保に貢献してきました。 しかしながらその後、入場者、売り上げともに下降をたどり赤字に転落。市財政への繰り入れも平成10年以降、20年以上ゼロのままです。 その状況を打開するために、平成27年から民間委託を行い、累積赤字の解消に努めています。 民間委託当初は、18億円まで増えた累積赤字も現在は10億円となり、やっと累積赤字の解消が見えてきました。 これでようやくオートレース本来の目的である「市財政への貢献」が再開できると思っていたところにそれを阻むように出てきたのが、今回の「メインスタンド建て替え事業」です。 耐震改修が必要なことと、老朽化がその理由だそうです。 しかし、その建設費用は36億円を超えると言われており、そのほとんどが市債発行(つまり借金)によってまかなわれるとのことですが、このことがせっかく好転した飯塚オートレースの経営に悪影響をもたらし、ひいては飯塚市の財政に多大な負担を与えるのではないかと危惧しています。 私たち市民が危惧する理由は大きく分けて4点。
① レース場の入場者が激減している
② レース場の利益からの返済が現実的に不可能である
③ 先に整備すべき施設がある
④ 経営計画が無く、それに基づいた議論が十分になされていない
この4点については、後で詳しく述べますが、このままスタンド建て替えを行って莫大な借金を背負ってしまっては、レース場運営が立ちゆかなくなり、借金をそのまま市が肩代わりすることになるという誰も得しない結果になりかねません。 オートレース場は全国でも5か所しかなく、そのうちの一つがこの飯塚にあるということは非常に大きな資産だと私たちは考えています。 このまま、無責任・無計画な市に任せていては、レースが好きな人たちをも失望させ、 市の貴重な収入源も失いかねません。 そのようなことにならないように、市に対し「メインスタンド建て替えをいったん中止し、本来のレース場の存在意義である *市財政への貢献と市民の願いである「持続可能なレース場経営」を目指すための経営計画を作成し、それを基に十分な時間をかけて市議会で議論すること」を求め、署名を添えて請願を提出したいと考えています。 ぜひ、このページを皆様にお伝え頂き、みんなでこの壮大な無駄遣いを止めましょう!
■ 理由その1 入場者激減
図1に飯塚オートレース場の年度別一日平均入場者数を示します。 図から分かる様に年度別一日平均入場者数は年々減少しており、2018年には2000人を下回りました。これはスマートフォンやPCによる車券のネット購入が広まったことが最大の原因と考えられます。 そして新型コロナウイルスが流行し始めた2020年には外出自体を避け、巣ごもりの増加で一気に835人まで激減しました。 アフターコロナにおいて入場者はこれからも減少の一途をたどると考えられ、それに伴いメインスタンドの利用者もさらに減少するでしょう。
■ 理由その2 レース場の利益からの返済が不可能 令和3年6月の定例会で行われた一般質問にて江口議員の「建て替え費用の36億円をレース場の利益で返済すると何年かかるのか」という質問に対し、公営競技事業所長は「約200年」と返答しています。 ※本会議一般質問より(スタンドの利益に関する部分は37分30秒から始まります。)
※議会だより2021年9月号より抜粋※議会だより2021年9月号より抜粋 コロナによる影響が大きかった2020年のレース場分利益から計算したものでしょうが、コロナ以前の2019年のレース場分利益でも約100年かかります。 100~200年後も飯塚オートレース場が、そもそもオートレースという競技自体が存在しているのかも分かりません。 返済している途中でレース場が無くなれば、残った借金は市が負担することとなります。 これまで20年以上もレース場は市財政への繰り入れがありません。これから更に34億円の借金を抱えるということで、「“財政貢献”という公営競技本来の存在意義をレース場は放棄したのか?」と市民は不安になっています。 耐震補強が1億4千万円でできるのならば、耐震補強ですませ、早期に市への財政貢献を行うべきではないでしょうか。
■ 理由その3 先に整備すべき施設がある
耐震診断の結果、問題があることが分かっているのはメインスタンドだけでなく、選手宿舎や第2スタンドも同様です。 そして、現在、飯塚オートレースの選手宿舎は4人1部屋となっています。新型コロナウィルスが依然として猛威を振るう中、選手達をそのような三密の環境にさらすのは集団感染の確率が高まり危険であると言わざるを得ません。 選手間で集団感染が起きてしまえば当然レースを開催することはできなくなり、レースの運営にも支障をきたします。 今後もコロナが完全に根絶されることは無く、インフルエンザのように毎年流行する可能性が高いといわれています。 スタンドが使えなくてもレースは可能ですが、選手がいなければそれも不可能です。 “持続可能なレース場経営”という観点から見ても、スタンド建設よりも選手宿舎の方を優先して改善すべきではないでしょうか。
■ 理由その4 経営計画がなく議論が不十分 本来、民間であれば事業の立ち上げや継続に必要な資金を調達する際、事業内容や企業の戦略・収益見込みなどを説明するために事業計画書を作成します。 ですが飯塚オートレースにはそれに類するものは一切ありません。 市は民間と同様に計画書を作成し、この資料に基づいて議会で議論をすべきではないでしょうか。
■ オートレースと言う資産を活かすために
オートレース場は全国でも5か所しかなく、そのうちの一つがこの飯塚にあるということは非常に大きな資産です。
レース場存続を望んでいる市民がいます。彼らは36億円という巨大な借金を背負い経営が行き詰まり、レース場が閉鎖されるのではないかと心配しています。
レース場を廃止すべきではないかと言う人もいます。
彼らはレース場が20年間も市財政への繰り入れが無いにもかかわらず、さらに借金をして繰り入れが先延ばしになることに憤っています。
どちらの心配も、その通りとうなずけるものです。
その心配を吹き飛ばすためにも、今回のメインスタンド建設案は一旦中止し、本来のレース場の存在意義である“市財政への貢献”と市民の願いでもある“持続可能なレース場経営”を目指すため、十分な時間をかけての議論を市に求めます。
■ 署名について
お名前、メールアドレスをご登録頂くと、メールが自動配信されます。そのメールに記載のアドレスをクリック頂くことで署名が完了します。
またhttps://voice.charity/informations/email_policyにありますように、
・発起人が署名者のメールアドレスを直接、確認・利用 することはできません。
・発起人が作成する署名者名簿に、署名者のお名前 メールアドレスは記載されますが、メールアドレスは "inf**********"のように、頭3文字以降が伏字で掲載 されますので、名簿により第三者に公開されることも ございません。
・発起人が、「現況報告」を行った場合、その通知がメールで送られます。
■ 紙の署名簿について
紙の署名用紙も作成しています。下記からダウンロードしてお使い下さい。また集まりました署名については下記メールアドレスまでご連絡下さい。
署名用紙はこちらをクリック
■関連リンク
みんなでつくる飯塚市「飯塚オートメインスタンド建て替えが議会で問題視されている件について」
みんなでつくる飯塚市「飯塚オートメインスタンド建て替え問題」オンライントーク開催レポート!
飯塚市議会議員 えぐち徹 公式ウェブサイト
■エールの使用法 ご寄付は任意ですので、ご署名だけ頂くことでも全く構いません。 それでももし頂けるようでしたら、お気持ちに感謝し、大変ありがたくお受け取りさせて頂きます。 また、皆様のお気持ちを無駄にしないよう、最後まで一層の責任を持って提出させて頂きたいと思います。 ■ 賛同頂ける方へのお願い 最後までお読み頂きありがとうございます。 ぜひ、このページを皆様にお伝え下さい。また告知用のポスターを以下からダウンロード頂き、お店などに貼って頂けると力になります。 またポスターやお知らせは自由につくって頂いても結構です! みんなでこの壮大な無駄遣いを止めましょう! ■ 団体(代表)プロフィール 団体名:『飯塚オートレーススタンド建設中止を求める会』 代表者:末長健也 メールアドレス:iizukastandstop@gmail.com ※質問や意見等ありましたらこちらのメールアドレス宛に 連絡願います。 ■ SNS Facebook: https://www.facebook.com/profile.php?id=100074322159801
【文書参照元】長浜市議会(seigan.tinzyou_tebiki.pdf (nagahama.lg.jp))
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