城丸秀髙議員
現在3期目の城丸秀髙議員は鎮西地区に在住。議員になる前は飯塚市役所で公務員として働く。地域の声を市政に届けるべく8年前に初出馬。総務委員会委員長、特別委員会の委員長を歴任。現在は議会運営委員会の委員長を務める。
Q.議員として普段取り組んでいる活動について教えて下さい
活動の一番メインは地域の声を市政へ届けることです。地域の方の声を聞き、生活の中で困ったことは無いか、地域の方とコミュニケーションをとりながら常に耳を傾けています。
最近よくテレビでも扱われる飯塚事件をご存知ですか?もう30年になりますが、そのころはまだ私は市の職員をしていました。今から4年前、たまたま家の前に小中一貫校ができたんですが、歩道がとても狭かったんです。その狭い歩道は子どもたちの通学路です。飯塚事件のような事件を二度と起こしてはいけないと、登校時の見守りを兼ねて、信号のところに立って交通見守りを行っています。4年間毎日欠かさず。今日も立ってきました。
本来学校が開校したときに、通学路の安全確保で歩道の拡張はやってないといけないと強く要望して、一番子どもたちが利用する場所を市の方へ伝えて、結果広げてもらいました。その場所にいま見守りを兼ねて立っています。子どもは地域の宝ですから、見回り活動はこれからも続けていきたいと思っています。
また、私のライフワークとしては農業問題があります。私は農家出身なので、日本全体の農業のことも気にせずにはいられません。「農業所得が低い」「担い手がいない」「農家の高齢化」などの根本的な問題をもっと国全体で考えていく必要があります。
農地農業を守るということは、とても大切なことだと思っています。農業には多面的機能というものがあるんです。食物を生産して供給するだけではなくて、地球温暖化とか、治水とか、CO2の問題とか、全てに関係してくるのが農業です。
国も多面的機能支払い交付金などの補助金を割り当て力を入れていますが、まだまだです。地域で農業に対して何ができるか、地域で農業を支えていく、例えば担い手がいなかったら若い人たちでグループを作って使われなくなった田んぼを復活させる。法人化して農業を行うことも必要です。地域に根ざして大規模に農業を行う営農組合と呼ばれる方法もあります。
地域で農業を守っていこう、ということも力を入れています。飯塚市にも営農組合はたくさんあります。実際私は10数人の農家の方と営農組合をつくり組合長をやっています。農地を耕作放棄地にしないためにも地域の農家が力を合わせて持続的な農業を行うために営農組合をつくっていく、そういった活動は広げていく必要があるんです。
Q.農業を守るために飯塚市として支援する仕組みもあるんですか?
もちろんあります。一般質問でも取り上げたとこがありますが、飯塚市でもそういった取り組みは進めていますし、おそらく一般質問で取り上げているのは私が議員の中で一番多いと思います。
しかし、飯塚市の農家の平均年齢は67才です。農業の担い手不足は大きな問題といえます。67才といえば、退職して、一段落して、さあゆっくりしようという年。しかし農家の方はその年の方が一番中心に頑張っている。
Q.若手の方で今からやろうという方が少ないということですね。
少ないです。おそらく農業所得が上がれば担い手も増えていくんでしょう。ただ、この農業所得を上げるというのが難しいんです。国の問題でもあるのでなかなか難しい問題。それも政治の役目です。農業新聞にもそういう問題が掲載されていますが。職業を別に持って農業をされている方も多い。一方で田園回帰の流れも少しずつ広まっています。ただ田舎の暮らしに憧れて来る人もいるけれど、まだまだ少ないですね。しかも飯塚市は中途半端、そんなに田舎というわけでもないし、都会というわけでもない。
Q.最近の一般質問で農業以外で取り上げた問題はありますか?
八木山の観光開発について取り上げました。
八木山バイパスが無料化になって、国道201号の交通量が以前にくらべ減ってしまい、周辺でお商売をされている方たちに大きな影響がありました。中には閉店に追い込まれたお店もあったんです。この状況をなんとかしたいと思っています。実は八木山には観光資源がけっこうあるんですよ。グリーンツーリズムなどの自然を活かした観光が一番に思いつきますが、桜や梅などのスポット、ピクニカ共和国、ゴルフ場などの資源を活かしきれていない。
こちらには伊川温泉などの温泉地、向こうには南蔵院がある。これをつなぐルートとして観光を開発できないかということも以前から訴えてきました。南蔵院には年間250万人の観光客が来るという話もあります。南蔵院に来る人を観光客を伊川温泉までにつなげることができれば、大きな観光スポットになると思っています。イメージとしては三瀬峠のような感じですね。これも今後、引き続き取り組んでいこうと考えています。
Q.他に気になる問題はありますか?
私は団塊の世代の一番最後なもので、2025年に75歳になるんですよね。2025年問題はご存知ですか?日本の人口の1/4が75歳以上になる。これを超高齢化社会と呼びます。支える人の数と支えられる人の数が逆転することになるんです。
もちろん資金不足もでてくるだろうし、支える人の負担が大きくなり、介護施設も足りなくなることが考えられます。またその1/4の内の1/5が認知症になると言われています。だから2025年問題で在宅医療とか、在宅介護とか、施設に頼らない方法を考える必要がでてくるんです。
飯塚市は地域包括ケアシステムを構築しようとしているんです。地域で人生を完結できるよう、30分圏内で医療や介護、予防、生活支援を一体的に支援する仕組みです。中学校区ぐらいのエリアです。これらの少子高齢化の問題も待ったなしなので、なんとかしないといけないと思っています。
Q.話は変わりますが、少し前に八木山方面で埋め立て計画のお話があったと思うんですが城丸議員は何か動かれたりしましたか?
あの問題では、地元ということもあり、説明会にも行き、現場も何度も足を運び、国や県に直接行って要望をしてきました。実は調べてみると、熱海の事故があって、すぐに申請が出ていたんです。竜王山ですね。おそらく事故があった直後に国土交通省が申請の基準を見直すという動きがあったからでしょうか。
なので、業者は駆け込みで申請を行ったのかもしれませんね。それで、住民説明会までしたんです。向こうの資料不足で次回へ持ち越しになったんですが、2回目の住民説明会を行うまでの間に、副総理の紹介で国土交通省地方整備局へ行きました。
Q.城丸議員が直接行かれたんですか?
直接1人で行きました。国土交通省地方整備局に行って、詳しい現場の状況や、地元としては反対の声が大多数であることなどを伝えました。全国的に同じような事案がでていたときなので、ちょうど埋め立ての事故問題については国会でも話されていて、その審査基準について改正をする動きがあっていたと思います。
しかも、いま八木山バイパスの4車線化の工事が進んでいますが、トンネルの拡張工事で出た排土を埋め立てるというような話を耳にしていたので、その点も国土交通省地方整備局に行ったときにただしてきました。
地元が反対しているところにトンネルの土を持っていったりしたら大変なことになりますよね。
さらに、県の林地開発許可を出す部署や、実際に許可申請を受け付ける部署にも直接行き、地元の反対の意向を強く伝えてきました。許可を降ろさないでくれとは言われないが、慎重に進めて下さいと丁寧に伝えました。
それが、功を奏したかどうかはわかりませんが、次の説明会までの間に業者が申請を取り下げたんです。大きな反対運動などはしませんでしたが、動くところはしっかりと動いて、結果として住民の望む方向へ動いてくれたのは嬉しかったです。しっかりとした資料を作って地元住民の声を直接届けたのがよかったのかもしれません。
Q.活動をする上で大事にしていることなどあったら教えて下さい。
はじめにも言いましたが、地域の方の声を丁寧に聴くことを大切にしています。丁寧に耳を傾けるというのが一番大切です。
そして、行動する。
先程の件もそうですが、自分としては行動して本当によかったと思います。住民説明会には直接顔を出して、多くの地元住民の声を聞きましたので、その声を受けて動きました。住民説明会では「なぜ県会議員が来てないんだ!」という声も参加者からのありましたが、こういった案件は地元の市会議員が県に行って丁寧に状況を伝えるほうがうまくいくことがあるんです。なので、飯塚市議会議員である私が動いたのは結果よかったんだと思います。
ただ、全て対応できるわけではありません。飯塚市で生活中のお困りごとだとしても、仕組み上、市として直接対応でき無いものもあるんです。そんなときは国や県の方に動いてもらわないといけませんが、すぐには解決しないこともあるので、住民に対して丁寧に説明をして理解してもらうこともあります。
逆に飯塚市の範囲で各部署内で対応できるお困りごとについては、私自身が飯塚市の職員だった経験から現役の職員に後輩も多いので、直接市民の声を伝えて迅速に動いてもらうこともあります。
Q.飯塚市全体でこれから取り組んでいきたいとこはありますか?
以前市役所で働いていたということもあり、飯塚市全体のことは常に考えています。市役所での仕事で一番印象に残っているものは「大学を活用したまちづくり」です。この大学を活用するということを飯塚市はもっと力をいれて行うべきだと思います。この規模のまちに大学が3つあることは飯塚市にとって大きな財産だと思います。毎年5,000人以上の生徒と先生が全国から集ってきている。これはすごいことだと思います。
日本各地にあった炭鉱後のまちづくりで、一般的には企業を誘致するのが普通なんですが、それを先人の先見の明があったためか、大学を誘致してくれたんですよね。経産省の方も言ってましたが、飯塚は宝の山があると。そのような考えのもと、20年近く前から大学を活用したまちづくりe-ZUKAトライバレー構想というのが全面にでてきたんです。学園都市いいづか、というキャッチコピーもこのころ生まれました。産学官連携の取り組みも活発に行われるようになりました。これからも大学を活用したまちづくりはどんどんやっていかないといけないと思います。
Q.最後に市民にメッセージがあればお願いします。
そうですね。もっと議員の活動に対して目を向けて下さい、関心を持って見て下さい。と言いたいです。
議会に傍聴に来たり、議会だよりを見てもらったり、ホームページを見たりして、公開されている情報を通じて議員の仕事をしっかりみてもらいたいと思います!直接声を掛けていただき、お困り事や相談事などお話してもらえると嬉しいですね。フェイスブックなどから気軽にコメントしていただけると助かります。ぜひお声掛け下さい!
【フェイスブック城丸秀髙】
大学を活用したまちづくりを発展させていく考えはとても素敵です。
人が動くことはお金が動くことと相関すると思います。お金が動くと経済・ビジネスの発展も期待できます。
まちづくりを好循環させる仕組みの構想などありましたら、ぜひ何かしらの機会でお話を伺いたいです。