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  • 執筆者の写真tasuke

第1回「嘉穂劇場のこれからを語る会」を終えて

私は一市民として昨年5月から休館している嘉穂劇場のこれからが心配でした。そして、フェイスブックなどのSNSでも多くの市民が心配の声をあげていることを知り、広く市民が嘉穂劇場のこれからをお話できる場が必要では、との考えから「嘉穂劇場のこれからを語る会」を企画しました。突然の呼びかけにもかかわらず、多くの方に反応いただき当日14名の方に来ていただきました。皆さんのお話を聞いて、改めて飯塚市に嘉穂劇場がある意味を考えさせられました。そして、嘉穂劇場を想う市民の声がより高まることで、いい形での再開につながるということを強く感じました。嘉穂劇場のこれからをオープンに語れる場を続けていければと考えています。これからもよろしくお願いいたします。


以下に当日の流れとゲストのお話、参加者のコメントの一部をご紹介します。


 

2022年6月15日(水)19時〜20時「嘉穂劇場のこれからを語る会」が開催されました。


参加者は合計14名(運営、ゲスト含む)、ゲストに飯塚市の歴史に精通し様々な活動を精力的に行う竹下茂木さんと飯塚市から嘉穂劇場担当の職員3名が参加してくれました。

ーイベントの流れー

  • 参加者の簡単な自己紹介(会に期待すること等)

  • 竹下さんによる嘉穂劇場の歴史

  • 飯塚市としての取り組みと現状

  • 参加者同士の意見交換(テーマ「これからの嘉穂劇場に求められるものは何か」)


【竹下さんのトークセッション】

まずは、竹下さんから、嘉穂劇場の歴史や周辺のまちなみの変遷をわかりやすくお話しいただきました。

《一部をご紹介します》

大正11年大阪の中座を参考に、西日本で一番大きな芝居小屋が建てられました。倒壊と再建を繰り返し、昭和6年に伊藤さんが出資し、現在の2階建ての嘉穂劇場が建設されました。文化遺産としても非常に重要な立ち位置にある建造物といえます。


当時は余りに洪水が多かったため、遠賀川に堤防を築いたことで極端に水害が減少したといわれています。

菰田村に鉄道(菰田駅)ができたことで、アクセスが良くなり、後に商店などができて繁栄へと繋がりました。旧炭鉱が稼働している時期はもっとも繁栄していた時代です。通常無声映画は2~3日間隔で上映していましたが、当時はこのエリアで毎日上映する映画館もあり、周辺には18館の映画館が存在していたといわれています。旅役者が営業できた背景として、芝居小屋も多数存在していたことが知られています。

このような背景を持つ嘉穂劇場、皆さんの色んなアイデアで、今後もっともっと活躍できるように願っています。



【飯塚市の職員から現在の状況の報告】

続いて当日ご参加頂いた飯塚市の担当職員の方から状況をお話いただきました。


《一部をご紹介します》

昨年の9月に飯塚市へ贈与された後、9カ月ほど経過しています。今後さらに市民の皆様に愛される施設として活用できるよう検討委員会を中心に様々な検討を続けているところです。


一方で、嘉穂劇場は昭和6年の建設で築90年が経過しており、所々に傷みが生じています。公共施設として市民の皆様に使用していただく上で、一定の安全だけは確保しておくべきと考え、点検等を進めているところです。

 いつ再開するのかという市民の方々の声を多く頂いており、なるべく早い時期にとは考えていますが、現状ではいつ正式に再開できるかお伝えすることができません。



【参加者同士の意見交換】

テーマ

「これからの嘉穂劇場に求められるものは何か」


《一部をご紹介します》

​・既存のホールの関係と使われ方、役割分担はどう考えるか? ・劇場運営に関しては愛媛の内子座も参考になる。イベント内容も然り、周辺整備(インフラ)を含めて考える必要がある。嘉穂劇場は市の大切な資産。もっと魅力的にならなければならない。 ・公共施設だから安全・安心でなければならない、というのは理解できる。ただし、そこを追求し過ぎると、がんじがらめになって非常に固くるしい施設になる可能性がある。そのバランスを考慮しないといけない。

できることなら、まち全体が活気付けばいいなと思っている。単なる見世物小屋では物足りないし、一番の問題は高齢者が多い。そのとき足に負担がかからないような座席設定を考慮すると良いのではないか。

​桟敷に関しては、内子座や金毘羅大芝居では板を渡して簡単な腰掛をつくって座れるようにしています。渡し板は撤去可能にしてあります。現在の文化財に関して、文化庁は地元の知恵で使い続けていることを評価する傾向にあり、内子座の場合、それが評価されて重要文化財指定されました。指定を受けても、それほど使いにくくなることはありません。

​飯塚の歴史や建物の疑似体験を主としたVRロールプレイングゲームを考えている。

遠賀川で魚を釣っているアバター作成(会話アリ)、ポイントをためて現実世界でラーメンを食べれるなどもおもしろい。

嘉穂劇場の名前を自由に使わせてほしい。例えば、嘉穂劇場シュークリーム等。現役世代のアイデアでグッズの普及も見込めると思う。

一つの県のPRで問題を解いたら、ゲーム正解のグッズが貰える。タイアップが良いかもしれない。ポケモンGOとか。

利用の幅を広げるということですね。ホールが近接している強みを活かし、嘉穂劇場で展開できそうなメニューを考えるのがよいかも。飯塚には音楽をたしなむ方が多い。そういう方に利用の幅を広げてあげるのは良いかもしれない。

誰でも使えるように10万円で使える企画を実施した。だんだんリピーターが増えてきた。嘉穂劇場だからできることをもっとみんなで考えたい。舞台は使わないと死んでしまう。もっと利用していきたい。

嘉穂劇場で年一回ベートーヴェンの第9を演奏していた。いろんな方がやりたがっている。演奏できるよう再開できたら良いと思う。

嘉穂劇場は大きい。現存する全国27の芝居小屋のうち最大。それだけ集客しなければならないし維持費用もかかる。耐震改修だけで3億程度かかった例も。小さい劇場でも細かい補修を含めて7億8千万かかることも。市民がその費用を出しても良いかどうか、市民側の総意が大事。上手くいっていない町もある。

あとは誰が運営を行うか、という人の問題。おそらく市役所の方だけでは不可能。それを支援できる体制が必要である。愛媛では役場の方もボランティアで参加し何十人単位で動いている。全体の監督やマネージャー、舞台制作、舞台技術も必要になる。

若者には大人にはない柔軟な発想がある。子どもから嘉穂劇場の活用アイデアを募集するというのも面白いかもしれない


最後に飯塚市から参加頂いた担当の職員の方に今日の感想をもらいました。


皆さんからご意見を頂いて、嘉穂劇場は劇場だけ単体で考えるのではなく、まちづくりとして考えていかなければならないと感じました。正直、市側も色々と悩みながら動いています。今日皆さんから聞かせていただいた多くのアイデアを参考に、これから少しでも早く再開できるよう頑張っていきたいです。皆さんがこのように嘉穂劇場に対して熱い想いを持っていることを大変心強く思っています。



ご参加頂き本当にありがとうございました。

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