来春竣工予定の「新総合体育館」移動式観覧席入札に関する議案に賛成・反対、計8人の議員が討論に。その争点とは…
更新日:2022年9月27日

参照:飯塚市身体区間基本設計【概要版】より
経緯の説明
鯰田に建設中の新総合体育館について、もともと本体工事に入っていた移動式観覧席が、いつのまにか外されて物品納入ということになり、今回議案として上がってきたことから議論が始まりました。移動式観覧席は504脚で納入金額は7,843万円。1脚あたり約15万5,000円と安くありません。物品納入で事務用品として入札をすることから、事務用品の入札参加業者さん29社のうち13社を飯塚市は指名しました。指名した理由は29社中13社は事務用家具を扱ってるからです。その13社で5月に入札を行いましたが、13社中の10社が辞退し、3社が残りました。今回の討論ではその選定方法や経緯に不安が残るとして白熱した質疑がかわされました。最後に6人の議員が反対討論を、そして2人の議員が賛成討論を行いました。内容は以下のとおりです。
【反対討論】今回の移動式観覧席入札の透明性と公平性を市民の方々に説明がつかない。記録なく経過も不明瞭。

指名競争入札に応札した3社の登記簿謄本、飯塚市との取引実績書など多くの資料要求をさせていただき質問させていただきました。委員会では私自身機を逃してしまい討論の機会を失ってしまい、簡易可決となりました。その後再度しっかりとたくさんの資料を読み返し、他の議員とまた執行部とのやり取りを読み返し、その結果反対することとしました。理由は今回の移動式観覧席入札の透明性と公平性を市民の方々に説明がつかないということです。そもそも移動式観覧席を工事ではなく物品として取り扱うことを協議した記録が全くないとのことで、経過が不明瞭です。次に物品の指名競争入札から落札までの経緯が市民の方には説明がつきません。執行部の説明では競争入札の参加資格の要件を満たしていれば納入は可能だ、ということでしたが本当にそれでいいのか疑問が残ります。入札に13社指名し、10社が辞退されており理由は6社が取り扱いがなく4社が納期に間に合わないとされていました。2社見積もりをしたと本会議で答弁されていたので、その2社について尋ねたところ「会社名」「見積もり」「金額」は非公表ということです。競争性が担保されたのかも疑問が残りました。落札されたのはグッドイナフです。グッドイナフの納入実績に関して調べさせて頂きますと、2,772,110円がすべての合計金額という会社でした。やはり競争入札の参加資格要件さえ満たしていれば7,843万円の契約を結ぶ相手として契約ができてしまう、13社中10社が辞退し残りの3社が応札。さらに落札した1社の状況はとても市民の方に説明できる状況とは考えられません。入札は参加資格だけではなく市として倫理の面からも納得できる内容にする必要があると考え、熟慮した結果、議案61号に関しては反対と致します。以上です。
【反対討論】このような出来レースみたいな入札では、決して市民は納得することはできない。

この議案は現在建設中の飯塚市総合体育館の中に整備する移動式観覧席の、取得に関するものですが、先日開催されました協働環境委員会における質疑において明らかになった、仕様に関する点について、疑義が生じたことが反対の理由です。まずはその規格についてです。非常に細かい条件が設定されており、それがゆえにこの条件をクリアして納品できるメーカーがほとんどなかったということになると思います。もうこの1社以外は考えられないというような状況の中で応募された入札だと思います。そうであればこの状態に一期工事から納入された実績のあるメーカーがやはり有利になってきます。これはですね我々も商売をやっているので分かるんですけど、メーカーは実績のあるところを優先します。ですからその仕様において、入札を断行すれば大体メーカーが後は断ってくる、というのが現状であります。なぜこのような厳格な入札条件を作ったのかという疑問が1点あります。それが1点目の理由です。2点目として、委員会において仕様書を作成したのが本体の入札工事がなかなか成立しない過程においてだったかもしれませんが、今回の財産の取得という入札業務という観点から見てその公平さに欠けている点があると思います。今総務委員会で入札制度を検討しておりますが、飯塚市の入札が公平で正確のものであるのかという疑問を私の知り合いからも聞くこともたくさんあります。そのために総務委員会も今入札制度というのを検討しておる中であります。このような3社による、言葉悪いんですけど出来レースみたいな入札では、決して市民は納得することができないと思います。私はそういう観点からこの入札に反対の立場で討論いたしました。
【賛成討論】不正が認められるような答弁は引き出されていないと、認識しています。

現在新体育館が建設されており、完成すれば本市のスポーツ振興に寄与する拠点施設となります。今回提案されている移動式観覧席は設計の段階で予定されていたとのことであり、今後全国大会の誘致や開催にあたり、新体育館に必要な物品と考えます。委員会の審査の過程において、仕様書の内容は製品を指定したものではないこと、入札行為において市の事務に瑕疵はなく、適正に行われていること、そして辞退理由についても一般的な理由であること、確かに委員会でのやり取りはありましたが不正が認められるような答弁は引き出されていないと、認識しています。そのため今回の入札を否決する理由は全く無いものと考えるものです。
【反対討論】誰の税金で仕事しているのか!という市民の声が聞こえてくるようです。

みなさん、契約金額は7,843万円です。観覧席一席あたりいくらと思いますか?一席あたり15万円から16万円です。耐用年数を本会議で聞きましたが、飯塚市としては15年以上という風に注文するだけで、耐用年数は何年かわかりませんという答弁であります。誰の税金で仕事してるのか!という市民の声が聞こえてくるようです。調達が可能と思われる13社を指名し、10社がそれぞれの理由を挙げて入札辞退となったようです。好んで辞退をしたのか、辞退せざるを得なかったのかは分かりません。いずれにしても3社の入札によって業者決定となっています。 市の入札、見積もり結果及び経過表をインターネットで見ることはできます。入札は5月14日で応札は株式会社 S・Y 8,000万円、グッドイナフ株式会社7,130万円、株式会社福岡ソフトウェアセンター7250万円となっています。本会議で質問したわけですけれども、株式会社 S・Y について市議会議員の関わる会社かと尋ねると、市役所はこの議場の中で代表者の名前を紹介して答弁し、否定できませんでした。グッドイナフ株式会社については、従業員がいるのかなどを始め事業実態と実績を確認したかを尋ねました。実態がおぼろげであることを私は指摘をしたわけであります。市役所の答弁によって、しっかりした把握はできていないことが浮き彫りになりました。この会社の代表取締役は市議会議員と縁の深い間柄であります。第三セクターの株式会社福岡ソフトウエアセンターは資本金10億円です。この福岡ソフトウェアセンターについては、発注者である片峯市長が副会長で、市幹部OBが代表取締役です。13社のうち10社が辞退する構図の下で、3社の間でどういう談合があったのか、なかったのか、移動式観覧席がどういうルートでどこからどう調達されるか、しっかりしたチェックが必要です。市長は内部調査をきちんと行い、市民に納得いく説明をするべきであります。莫大な財政出動を伴う移転新築の判断、入札やり直しの繰り返しと工事中止、工事費の7億円の増大、全て片峯市長が決断したことであります。移動式観覧席の購入方式と入札、不透明な事態が次々に起きています。
【反対討論】市議会議員とか、市長とか関連会社ばかりで入札している。これは反対せざるを得ない。

10社が辞退したことで最後に残った3社について詳しく紹介します。これは公表されている内容です。株式会社 S・Y は資本金2千万円です。もう1社が株式会社福岡ソフトウェアセンター。3社目はグッドイナフ株式会社です。この3社で入札されております。協働環境委員会の方でこの3社の商業登記簿謄本と指名願の資料等を資料要求して、この土日にしっかり読み込みました。1社目の株式会社 S・Y さんの代表取締役は坂平由美さんですけども、この会社は現職の議員と関係の深いという川上議員がおっしゃっておりましたが、その点からも調べました。発行株は400株あります。その半数以上を現職の市議会議員さんがお持ちです。株式におい株券の半分以上を持っているということは実質上のオーナーだということになります。もう1社、福岡ソフトウェアセンターの代表取締役の高倉孝さんは市のOB幹部 ですね、元部長をされていた方です。ここに取締役として飯塚市の片峯市長も入っております。もう1社がグッドイナフ、代表取締役は原田拓郎さん。資本金500万円です。この会社は指名願いの中に取締役の他に従業員さんが1名となっています。女性の事務員さんがいましたが現在はおられません。ですから社長1人という状況だと思います。で問題はですね、13社中10社が辞退したんですよ。3社残ったんです。この3社に市議会議員とかですね、市長とか関連会社ばっかりで入札してるんですね。このようなことがあった入札がですね、私からすれば公の入札ですよ。ちょっと疑義が生じたということで、これは反対せざるを得ないんじゃないかということです。先ほども申しました通りやはり実質上のオーナーが違うような会社とかね、福岡ソフトウェアセンターは市長が発注するんですよ、予算を知り得る立場の人が取締役に居るというようなところに発注すべきでないと思います。そのような観点から今回は保留したいということで反対の立場を表明致します。
【賛成討論】審査結果に基づき、またその責任により賛否決定すべきものである。

議案の審査にあたって我々議員は審査結果に基づき、またその責任により賛否決定すべきものであり、私もそのことをしっかりと考えた上で賛成とするものであります。なお先ほど協働環境委員長の本議案の採決における取り扱いが、あたかも不適切であるかのような発言がありましたが、委員長の運営は委員会条例並びに会議規則に基づく正しい運用であり、本市議会ではこれまでも同様の運営において支障なく運用されてきております。委員長並びに本市議会の名誉のためにも、今回の委員会運営は適切に行われたものと私は考えております。そのことを申し述べて私の賛成討論といたします
【反対討論】これだけの金額の入札については、経営状況、工事売上の経歴、実績について十分執行部は配慮して発注すべき。

執行部に2点ほど問題点を指摘して反対討論とします。まず1つは発注についてでございます。この入札に対する発注は、随契でも公募でもありません。それに指名でございます。指名競争入札であります。今回の指名は8,000万円近い物品の納入についての発注でございます。指名ということは発注者側が、これだけの金額についてあなたの企業を信用しますから、どうぞ入札してください、ということだと私は思っております。先ほどから討論の中で入札参加資格申請についての許可があれば誰でも入札できる、まあ許可があれば入札に参加することはできますけれども、ただしかし、これだけの金額についての入札につきましては経営状況、工事売上の経歴、そしてまた実績について十分執行部は配慮して発注すべきであったという風に思います。あと1つは入札についてでございますが、この中で指名から入札までの間、十数日間この間に13社中の10社が辞退をしています。先程から討論の中で色んな理由等述べられましたけれど、私はこの13社中10社が、これだけ多くの企業が辞退したということは異常であるという風に考えるべきであると思いまして、どうしてこういうなったのかと当然執行部は考えられたと思いますけれども、これだけの辞退が出たことに対して、もう少し慎重に配慮してそしてまたこの入札を延期するとか、方法を考えることはできなかったかと私は思っております。