総務省で2022年に発表されたふるさと納税の現況調査によると、飯塚市のふるさと納税額は65.64億円で全国ランキングで10位を記録している。
なぜか全く目立っていないが、これはとても凄いことなのだ。例えると甲子園のベスト16に残ったくらいの凄さである。ルールに則り、創意工夫のもとチャレンジし続けたこと、加えて斯様な成績を残せていることは胸を張って良いと思っている。ふるさと納税の何が良いかって、故郷が飯塚市でない方がふるさと納税してくれることで大きな税収を得られる点だ。今の日本は税の使い方が放漫且つ不透明、高齢者重視の政策をとっており、国の方針に不満を抱く労働者は多い。ふるさと納税が短期に普及したのは納得できる。
ときに今日の日本では、二度と起こしてはならない過ちを再発した事由があり、絶対的な対策を講じなければならない重要課題がある。言わずもがな、通園バス車内の確認システムだ。
①目視チェックを強化する
②テクノロジーを導入する
など様々な案が浮上している。①目視チェックを強化するは対策として事業主の権限で抵触不能なルール、いわば事業主事の任意ではなく行政のルールとして課すしか無いように思える。大多数の幼児教育者が真面目かつ懸命に勤務している中でルールを課すのはしんどいだろうが、止むを得ないだろう。
・目視チェックする
・チェック後、問題がなければサインする
・問題なしを報告する
極めて容易に防げる裏には、事業所ごとに共通あるいは独自の労働環境問題もあるだろう。だからそこには窮状を把握していない外部者として言及しないものとする。ただ、複雑なルールを外部が課して、ワークフローに支障をきたすようでは別問題を引き起こすトリガーとなる。この国にありがちな仕事やった感だけ出て、本末転倒となるパターンは避けたい。極シンプルかつスマート、強力な仕組みが必要だ。
②テクノロジーを導入する案はどうだろうか。人感センサーやIoT技術の導入で対策を講じたくなるだろうが、技術開発を生業にする側からすると口で言うほど簡単なものではない。エラーが生じることは決して許されないし、複雑な条件をクリアする必要があるためだ。条件を書き出すととんでもないボリュームになるためここでは避けるが、そもそも技術云々の前に日本人のITリテラシーの低さに問題があるため、IT導入は①以上に導入障壁が高い。こういう問題はデジタルよりアナログの方が圧倒的に強く、オートメーション化枠から外した方が良いと思われる。
他のアイデアとしては
③予算を確保し、警備会社を通じて幼稚園・保育園の巡回警備員を雇う。第三者の厳重チェックが大事。
④幼児の体重を10〜20Kgと仮定し、
出発前のバス重量ー到着後のバス重量+消費ガソリン量<5Kg
でなければドアが閉まらない物理システムを作る
⑤世界で最も安全なアメリカのスクールバスと同じ仕組みにする
⑥園児に緊急時の対策(クラクション鳴らす等)を教育して委ねる
などが思いつく。
⑤は合理的かつ容易で隙が無い仕組みのため、性善説ではあるがぜひ導入したいところだ。こういうのは国が何かアシストしてくれるかも…などという儚く散るであろう期待は最初から抱かず、自治体としてできることに全力を注ぐ方が早くて現実的かもしれない。問題は軍資金だろう。
⑥はもう職務放棄だろう。大人の発達した脳による論理的思考を子供と同じ土俵に立たせることはナンセンスと思われる。緊急時の最後の砦としてなら効果あるかもしれないが、それを言い訳にする大人が出現することも否定できない点、大人のミスを園児がカバーするなんてことは鼻から考えない方が良いと考える。
最も効果的なのは三島市芙蓉台にある認定こども園「ピーターパン幼稚園」の取り組み
色々書いたが、三島市芙蓉台にある認定こども園「ピーターパン幼稚園」の取り組みは①であり、最も原始的かつ効果が高い。要はアメリカのスクールバスのアナログ版だ。
朝日新聞社が記事にしているので、シェアしたい。
記事内で注目すべきはここ↓
バスが園を出発する前に、最後部の座席に犬のぬいぐるみを置くようになった。園に到着後、職員がぬいぐるみを取りに行くことで、バス内に園児が残っていないかを自然に確認できる。バスの運転手(69)は「園児が降りた後に必ず消毒するので、コロナ前以上に車内を確認するようになった」と話す。
実に素晴らしいアイデアである。特許とかビジネスとかではないのだから、このぬいぐるみ作戦を是非真似してみてはどうだろうか。ぬいぐるみは各園でもよいが、教育に力を注ぎたいというテーマを掲げる市であれば、市が配布すればよいではないか。大人の事情で独自のアイデアに拘るのも悪くないが、金銭面を含めてこれ以上効果的な対策はない。
飯塚市ならバス最後部の邪魔にならないところに市屈指のゆるキャラ「ぼたぼん」を配置すればよいだろう。園児に対してバスの許容量が...という問題なら、薄型のぼたぼんを作ればよい。飯塚市立図書館で時折呟いているぼたぼんに”見守り特命部長”なる役職を与えるのもぼたぼんにとって名誉なことだと勝手ながら思う。子供たちがぼたぼんに興味を持って、飯塚市は日本を支えた炭鉱の歴史があることを知ってもらえたら一石二鳥だ。
じゃあぼたぼんは各事業所が負担して配置するのか?という問題が出てくる。そこでふるさと納税に注目する。
冒頭で記載したように、ふるさと納税の注目度を活用する。
新型コロナによる経済的ダメージ時期を除き、納税額は増加傾向にあるため今後も良い成績を残していくだろうことが予想できる。納税金の使い道として、幼児の安全を守るぼた本設置などを目的とした項目を追加する。これが今回のアイデアだ。
もし③であれば警備のための雇用を創出できる。子供の命を守ることに加え、地域経済にも貢献することが可能となる。金額面では納税額の2%分で年1.2億円の予算を確保できるため、対策を講じるには十分な費用を賄うことができる。⑤は予算確保までの道のりが遠い。ぼたぼん人形であれば開発製造費含めて0.5%分の約3,000万円もあれば十分過ぎるだろう。要はふるさと納税の使い道に200人中1人がぼたぼん人形を指定すれば目標クリアである。お金が余ったならば、幼児教育の役に立つ物資調達に充てても良いだろう。お金の捻出アイデアはふるさとの税以外にもたくさんあると思うが、市民目線でもシンプルで非常に分かり易い。
地方政治に携わる方はどう考えるだろうか。今できる対策としてベストな方法を模索するならば、現状の選択肢はかなり限られる。飯塚市の現状で対策の必要性があるかどうかは不明であるが、これからの未来を担う子供たちを守る上で、もし必要であれば効果的な一手を検討して欲しいと思うばかりだ。
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