top of page
  • 執筆者の写真nakao

テクノロジーは農業を進化させる

 テクノロジーと農業。これらは相容れない領域の産業という立ち位置と認識する方が多いのではないでしょうか。現在、我が国では第一次〜第三次の既存産業構造を大きく変革する第四次産業革命の黎明期に入っていると言っても過言ではありません。(欧米諸国を含めると、黎明期ではなくて過渡期と表現する方が正しいと思います)

 先日、代表質問でも「飯塚市の農業を何とかしないといけないよね」という旨のやりとりがありました。無論、そこには先端技術の活用というテーマも含まれています。確かに、今はAIやら何やらよく分からないカタカナ用語が飛び交っていて、何となく凄そうな印象はあれど実際どう変わるのかイメージが掴めない、というのも分かります。ただ、この代表質問の内容は飯塚市の産業構造にも大きな恩恵が生じる極めて重要なテーマであることを認識した方が良いというのが筆者の考えです。

掲題のように、テクノロジーを活用してどのように農業を変えることができるか、”Wifi”の視点から例を上げていきます。

 

2022年9月の改正電波法でWi-Fi新規格「IEEE 802.11ah」が使えるようになった

 

 はい、もう分からん。とかここでページを閉じるのは勘弁ください。もうちょっとお付き合いください。

皆さん家に無線LANの機器設置してますよね?あの類の機器は家の中くらいしかwifi届かないと思いますが、この新規格は半径1kmとかなり広いエリアで通信できる、というものです。通信速度は最大で20Mbpsありますので、動画とかの送受信もできます。

(今までも広いエリアでも使える無線ありましたが、通信速度が遅すぎて技術応用しにくかったのです。ちなみに無線LANとWiFiが厳密には異なります。詳しく知りたい方はこちら  この規格どうせ専門業者しか使えないんでしょ?と思われるかもしれません。いいえ、個人でも免許不要で機器設置すれば使えます。だから凄いのです。


 この半径1kmという広域をカバーする技術は、電波の遮蔽が少ない農業地帯に応用するのはうってつけです。近年、画像や動画データなど、データ・ドリブン社会になって以降、取得データの大きさは日々増加する傾向にあります。IEEE 802.11ahはそのデータ送受信問題を解決できるため、例えばIoT機器と農業を掛け合わせたサービスが非常にやりやすくなりました。

 

 本規格を使っても良い、ということになって、農業DXの実証実験が始められています。

日本農業新聞さんより

 本取り組みは地方自治体の農業課題である人口減少/ 農家の高齢化/ 後継者不足等の課題によって生じる労働力不足に加え、害虫被害や天候の影響等による収穫量低下などを現場から取得するデータ活用で安定的かつ効率的な栽培方法を早期に構築することを目的としています。

 高知県でも実装実験が始まっています。


 大企業と県の取り組みということで、中小企業は入る余地がないかというとそんなことはありません。むしろ、今後参入を希望する中小企業が増加するであろう中で、彼らが製品開発でどうしようもない部分=自治体の協力の面をサポートできるかどうかがポイントになってくるのだろうと思います。休耕地の活用は所有者の合意もそうですが、自治体のWelcome!という姿勢を積極的にPRすることができれば、企業誘致、移住者募集(若年層人口の増加)などの組み合わせで飯塚市が農業技術開発の開発拠点となり得る可能性もあります。(無論、技術開発は民間企業の目的であり、土地の所有者は土地から得る収益増加が目的となるでしょう)

 地方自治体の農業課題の中で、よく目標とされる若者の農業従事者の増加/新規参入は法律によるハードルが高いこともあると思います。しかしながら、飯塚市が飯塚市の農業課題自体をチャンスと捉える。そんな前向きな姿勢の政策を今後期待したいところです。

以上です。

タグ:

閲覧数:38回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page