top of page
執筆者の写真nakao

飯塚市議会議員になるために獲得したい票の数を考えてみる

更新日:2022年9月3日


 今回は視点を変えて、立候補して当選するために、何票くらい獲得すれば当選を目指せるか、また公開情報をどの程度活用できそうか考えてみるという記事です。実際は習うより慣れろ、という方が近いのかもしれませんが、いきなり現実とぶつかるよりも、予めデータを使って戦略を練ることが可能かも考えていこうと思います。

・・・・・・・・・・

・・・・・

・・・


 飯塚市の有権者数は約10万6千人います。かなり多いですね。飯塚市の人口とほぼ同じ印象が...と思った方、飯塚市の人口は2022年地点で12万6千人です。それだけ18歳未満の人口が少ないということですね。以下の表は男女別の有権者人数です。とはいっても、投票率は55.26%(H31 飯塚市議会議員選挙時)と低く、実質投票数58,386票の中で競う形になるため実際はギリギリの戦いになるかもしれません。

(投票、行きましょうね)

男性

女性

合計

49,490

56,415

105,905

 以下のグラフは前回市議会選挙の結果を参考に作成した、立候補者数と獲得票です。当選ボーダーは1,288票で、トップは3,041票という結果です。つまり3,000票獲得することができれば当選確率はかなり大きいことが予想できます。

立候補者数と獲得票のグラフ(黄色線は1,288票の当選ライン)

 3,000票という目標値を定めたのはよいものの、次にそれをどう獲得すべきかを考えなけらばなりません。学校のように小さい領域とは異なり、飯塚市全体は市町村合併を繰り返したことで広域な市となっていますから、短い選挙運動期間中に市民に向けて自身の考えや熱意をPRすることの難易度は跳ね上がります。現行の戦略は演説に加え、文書による掲示や配布も有効であり、加えてネットを用いたPRも許可されているため、手段は多いと言えるかもしれません。いかに市民から支持を得ることができるか、短期間で最も効果的な一手を打ち続けることができるかが勝負処でしょう。FBやLINEやYouTubeを活用している立候補者がどの程度いるのかは分かりませんが、そういったSNSツールの活用は利用次第で大きな効果を発揮できそうです。以下の表はWEBツールの利用可否をまとめたものです。

インターネットによる選挙運動(飯塚市HPより:https://www.city.iizuka.lg.jp/senkyo/senkyoundou.html)

 結構寛容なイメージです。今は動画編集もLINEでの個人アプリケーションも開発が容易な時代になっていますから、SNS情報ツールを活用したPR作戦は割と立てやすいのではないでしょうか。もし選挙運動前にツールの作成が許されるのであれば、動画作成などは時間がかかるため、早めに動いた方が良いかもしれません。現行の方法にadd onする形でSNSツールを用いる、それが1%の効果を生むと仮定すれば600票弱〜1,000票程度の効果を得ることに繋がります。


 次にマッピングを見ていきましょう。ここでのマッピングは市民が地区別に指定された投票所に注目してきます。

 どうやってマッピングするのかについては、Googleマップを利用するのが手軽です。投票所情報は市が公開しているため、地図上で可視化することは容易です。下図は飯塚市における投票所の分布です。(人口密度との関係でこの投票所設置位置が適切かどうかは本記事では言及しないこととします。)

投票所のマップ(Google Map活用)

 もし、実際にGoogle Mapで見てみたい方は、以下のURLをクリックしてご確認ください。

(マップは当推進会が作成したもので、GoogleDrive容量の都合で削除する可能性があります。予めご了承ください。)

上域拡大図 地区ごとに色を変えています。ピンをクリックすると投票所番号と男女別有権者数が確認できます。

 上図は投票所マップの上域部分です。ピンの色は地区別に分かれていて、数値は投票所における有権者数を示しています。具体的な数値を利用することで、散布情報からどこのエリアを起点として選挙カーを動かせば有効なのか、推測経路を導出できそうです。ライバルが現在どこで活動していて、というリアルタイムの情報も反映すれば、時間を有効に活用できる可能性はグッと上がります。

 決して闇雲ではなく、限られた時間の中でどこを走行すればよいのかを、経験則と併せて検討することでプラスの方向に持っていけるのではないでしょうか。

 以下は各投票所ごとの有権者数のグラフです。クリックすると拡大して見れます。こうやってグラフで可視化すると、ほとんどの地区で男性より女性の方が有権者数が多いことに気がつきます。行政区域と人口密集地、投票所を中心としたエリアをボロノイ領域分割すれば、より具体的な視覚化と分析、戦略立案が可能となるはずです。

投票区と有権者人数のグラフ

 これがもしゲームであれば、力業で乗り越えられると思います。有権者数の少ない地区は無視して、地元地区に加えて牌の大きい部分を集中的に狙って3,000票獲得を目指すでしょう。以下の表は上記グラフの算出元となる、各地区、投票区、有権者数を記載した表です。表中には、獲得目標1,300票、3,000票各々に対する各投票所の目指す獲得票数を計算しています。

投票区と投票所、有権者数と目標獲得票数

 市議会議員は当選がゴールではなく、当選して初めてスタートラインに立つお仕事です。当選後、市民の信頼の上で仕事をする以上、ゲーム戦法で地域を差別化することは望ましいことではありません。有権者の多い/少ない地区に関わらず、セコいことをせずにどうすれば万遍なく情報や声を届けることができるかを考えるのが理想なのでしょうか。ですから、各投票所単体で見ると一見クリアできそうな印象を受けてしまいがちですが、ここにこそ選挙活動の難しさがあるように思えます。58,386票中3,000票は結構ハードな目標であることも感じられます。

 過去効果的だった行動要素、ポスターの見せ方、メディアの活用方法など、様々な情報を統計的観点から分析を進めていくと経験則とは異なるやり方が見えてくるかもしれません。

 選挙運動期間中や発表後にメディアに取り上げられているケースはありますが、何をどう戦略的に動いているのかについては、選挙後であっても情報が出ていないのではないかと思います。そういった情報こそ自身の(情報)資産となり得るもので、次期選挙を視野に入れている方はデータの集積と分析、分析に基づく戦略立案を検討してみると良いかもしれません。

 まとまりのない記事になってしまいましたが、情報は増えると散らかるのではなく、上手く料理すれば強い武器になり得ることもお伝えしたいと思いました。以上です。

閲覧数:340回0件のコメント

Comments


bottom of page