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深掘り!松江の「自分ごと化会議」〜くじ引き民主主義の可能性〜





 自分ごと化会議とは、「まちの課題を市民自らが考える」ための会議のことです。自分ごと化会議は、(一社)構想日本の提唱しているもので、構想日本が商標登録を行っていますが、その趣旨は「政治・行政を他人ごとにしない」「住民が自分ごととして考え議論する」ということです。


 自分ごと化会議は、全国70以上の自治体で開催されており、福岡県内では大刀洗町で全国の先陣を切って2014年から実施されています。参加する市民は、住民基本台帳や有権者名簿から無作為で選ばれた方です。年代、職業、関心などが異なる市民が集まるために、ある課題に対して問題関心が高い人だけが集まって話をするのではない、というところが特徴です。課題に対して専門的な知識がない人でも、だからこそ参加する意味があります。


 会議は、コーディネーターが進行、専門家が話題提供をしながら行います。


 最終的に、会議として「賛成か反対か」という結論を出すということではありません。

自分ごと化会議の目的は、市民がまちの課題を自ら考えていける場を作り、市民に自分の意見・考えを持ってもらうことです。だから傍聴はどなたでも可能となっています。

松江の「自分ごと化会議in松江」は、全国初の住民主催です。行政が主催の場合、住民基本台帳データが利用できますが、民間団体主催なので選挙に使われる有権者名簿を「閲覧」し、手作業で転記するという作業が必要になります。それだけの手間をかけても「無作為抽出された市民が集まる」ことに価値を置いているのです。





 2018年11月〜2019年2月に、第Ⅰ期自分ごと化会議in松江を開催しました。テーマは「原発」でした。松江市内に島根原発が存在するにもかかわらず(いや、それだからこそ?)県も市も、政治行政のプロたちは原発を議論することを避けていました。しかし、2015年に島根原発1号機の廃炉が決定され、2号機は再稼働に向けて審査が進められていました。(2022年、島根県知事が再稼働に同意)ごく普通の市民が、自分たちのまちの未来に大きな影響があるこの問題について、イデオロギー的に凝り固まったかたちではなく、平場で堂々と議論を行ったことの意義は大きく、地元では大きく報道されました。


 第Ⅱ期(2020年2月〜7月)のテーマは「自然エネルギー」、第Ⅲ期(2022年9月~)は「学校給食」です。


 無作為抽出で選ばれて集まった市民が、学び、議論を深めることにより政治行政を「自分ごと」として感じるようになる、そのプロセスの面白さと醍醐味を、松江での運営に関わった福嶋浩彦さん(元千葉県我孫子市長)たちから、縦横無尽に語っていただきます!



【参考1】

第Ⅲ期の報告書が公開されています。

「自分ごと化会議in松江〜学校給食から「子ども」と「食」を考える〜市民からの提案書」

https://www.facebook.com/share/p/L6asyKw1aZfZhxgt/?mibextid=WC7FNe



【参考2】自分ごと化会議について、構想日本の説明。

◎民主主義の大前提は、住民(国民)が政治・行政を「自分ごと」として考えることです。その点、日本は「他人ごと度」がきわめて高い国です。日本は過去半世紀以上、世界の中でも最も安定して「良い時代」が続いてきた国のひとつです。しかし、世の中がうまく回っていると住民(国民)にとって政治・行政が「他人ごと」<私に関係ない>になりがちです。そうすると、どうしても政治・行政は国民の方を向かず、声の大きい人や身内の意見が通ったり、無駄な行政が増えます。こんな状況が続くと、そのツケは結局、増税、汚職、財政破綻などのかたちで住民(国民)に返ってきます<私に関係ある>。

政治や行政の「他人ごと」を治すには、どうすれば良いのでしょうか。基本は、(1)みんな(住民、国民)が政治・行政に関心をもち、ふだんからチェックすること。(2)そのために政治・行政が実情を正直に示すこと(情報公開)です。その有力な方法が「自分ごと化会議」です。それまで政治家や公務員任せにしていたことを住民(国民)が直接話し合う会議を、構想日本はこれまで数多く行い、そのすべてで大きな成果をあげています。まちのことを行政に任せっぱなしにせずに、自分たちがもっと関わっていく。「自分ごと化会議」は、そのきっかけの場なのです。

※詳細は「構想日本」ホームページへどうぞ。

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