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  • 執筆者の写真tasuke

「飯塚市はしっかり子どもの声を聞けてますか?」

更新日:2021年11月18日

2021年9月9日(木)飯塚市議会で「一般質問」に立たれた金子加代議員に聞きました。



今回質問されたテーマと選んだ理由をそれぞれ教えてください。


はい。まず1つ目は「子どもの人権」について質問をしました。実はこのテーマは議員になって私がやりたかったテーマで、選挙に出ようと思ったきっかけの一つなんです。


2つ目は「飯塚市役所の障害がある人の雇用について」です。本当は、飯塚市役所の女性や全体的な働き方についても聞きたかったのですけど、結局時間が足りずに、障害のある人についてだけ聞くことになりました。


3つ目は「白旗山(しらはたやま)メガソーラー」についてです。このテーマは毎回質問していますが、特に今回は8月13日に大雨が降ったので、庄司川周辺の地域について被害など状況を確認するために質問しました。


ありがとうございます。では今回一番時間を割いて質問をされていた「子どもの人権」についてお聞きします。選挙に出ようと思ったきっかけというのはどういうことですか?


私は、我が子に障害があったということもあり、子どもや障害のある人についての人権について日常的に考えることが多くありました。


さらに人権について考えるようになり、市民活動だけでは足りないと思い議員になったという経緯があります。


なるほど、もともと人権についての市民活動をされていたんですね。


特に子どもに関してはCAP(Child Assault Prevention)という活動をしていました。どんな活動かというと、子どもが暴力に遭わないようにするために学校、家庭、地域が一体となって解決する体制をつくるだけではなく、子どもを一人の「権利を持った人」と考えることを広めていく活動です。


CAPでは、子どもには大切な3つの権利があると言われています。それは「安心」「自信」「自由」です。その安心・自信・自由を守れない時にはどうしたらいいか、というのを伝えます。それは3つあって、1つ目ははっきり「いやだと言う」そして、2つ目はそこから「逃げる・離れる」、そして3つ目は誰かに「相談する」なんです。


このNO・GO・TELLという3つが大事だよということを小学校、中学校、保育園などで、子どもたちやその保護者に向けて伝えてきました。本当に子どもの人権はとても大事です。


子どもはただ守るだけの対象ではなくて「権利を持った人」という考え方ですね。


そうなんです。子どもだから守らなくてはいけないのは当然です。この「人権」をみんなで考えなければならないことだと思います。飯塚市で3人の子どもたちが虐待で亡くなった事件がありました。このような事件を二度と繰り返さないためにも、子どもたちの声を行政や学校の先生がしっかり聴ける体制をつくりたいと思っています。


ひとつ宗像市の取り組みをご紹介させてください。

宗像市は平成24年から「子ども基本条例」が施行されていますが、その取り組みの一つに「子どもの人権相談室ハッピークローバー」があります。そこは子どもの声をしっかり聞く体制が整っています。第3者委員会があって、救済組織があるし、広報もするし、教育の現場にもしっかり入り込んでいて、宗像市独自のカリキュラムで学校教育の中に「自分たちの権利」の授業が小学校1年生から中学3年生まで用意されています。


当然、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーもいるし、家庭児童相談員もいるし、要保護児童対策協議会もあります。それと別に相談員は子どもに寄り添って話を聴く体制があるんです。


それもただ電話をとるだけではなくて、学校に行って、ただ遊ぶ場合もあったり、遊びながら子どもの話を聴いたりします。子どもは簡単に「今日私はこんな相談があります」とか、「こんなことに困っています」とか、「私は誰々ちゃんから何月何日にいじめられました」とか、知らいない人に言いません。時間をかけて信頼関係をつくっていくから、子どもから声をかけてもらえる。宗像市が何でそこまでしっかり体制つくりができているかいうと、それは宗像市が基本条例を持っているからだと私は考えます。



素晴らしい取り組みですね。ちなみに飯塚市には「子ども基本条例」はあるんですか?


残念ながらまだ飯塚市にはありません。飯塚市は平成31年に施行された「子どもをみんなで守る条例」がありますが、「子どもの人権」についての広報や啓発がまだまだできていないと考えています。実際、一般質問をしたときに市の相談窓口に子どもからの相談数は0だったということでした。これでは対策が十分だとは言えません。


今回の質問で一番のポイントはなんですか?


ソーシャルスクールワーカー、スクールカウンセラーはいるけれども個人の問題で完結しているように思います。確かに個人情報だから外部に出せないというのもわかるんですが、それを一般化して解決に向かうようにすることが行政がすることだと思うんです。


「まず当事者は子どもだから、当事者の子どもの声を聞いてください」と思います。暴力は、連れ去りや通り魔など知らない人から受けるより、虐待や体罰、いじめなど知っている人から受ける方が多いんです。だから発見がしにくいのです。家に入ると、ドア閉めたらもう家では何が起こるかわからない。昔はしつけだからといって介入できなかったけど、しつけは暴力だとやっとみんなの中で認識ができたでしょう。私が一番心が痛くなるのは、子どもたちがしつけだと思って叩かれてるの当たり前だと思うことです。


まずは、子どもが、親や先生や友達から暴力に遭った時には暴力を振るう方が悪いということを伝えないといけないしそれを発信することは大事なので、受け取る相談体制をしっかりして欲しいということです。

まずは、子どもが、親や先生や友達から暴力に遭った時にはそれおかしいんだよと、暴力振るう方が悪いんだということをいくら親であれ、先生であれ、暴力振るう人が悪いんだということを伝えないといけないしそれを発信することは大事なので、受け取る相談体制をしっかりして欲しいということです。


今回の質問で手応えはどんな感じでしたか?


執行部の答弁に「子どもを中心とした相談体制、子どもが相談できやすい相談体制をつくるように考えます」といただけたので、これからだと思います。私が望むのは最終的には子どもの基本条例で、まずは、子ども自身が相談できるしっかりとした窓口です!


今回の質問で市民の方へ一番伝えたいことはなんですか?


私はこの宗像市の「子供の基本条例のリーフレット」に書いてある子どもの権利を守るために大人が取り組むことです。それは、大人は子どもの最善の利益の保障と子どもの目線を常に意識し、「今までの大人中心の考え方そのものを変えることが大切です」ここが一番伝えたいことです。


金子加代議員、今回はインタビューにご協力いただきありがとうございました。




飯塚市議会 令和3年第5回定例会(9月議会一般質問)金子加代議員



飯塚市議会議員 金子加代

協同環境委員会(副委員長)

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