AIチャット、特にChatGPTという技術が最近目立って紹介されています。しかしながら、技術系の人間でない限り、私生活でChatGPTという言葉を耳にすることはほぼ無いのではないでしょうか。
本記事はAIチャットの最前線について、その性能面に触れたいと思います。まずはChatGPTについて簡単に説明しますと、
ChatGPTは、OpenAIによって開発された大規模な言語モデルです。このモデルは、自然言語処理(NLP)タスクにおいて高いパフォーマンスを発揮するために設計されており、人間との対話や質問への回答、文章生成などが可能です。ChatGPTは、インターネット上のテキストデータを利用して訓練されており、その知識は2021年9月までのものです。GPTシリーズはTransformerアーキテクチャを使用し、機械学習モデルであるニューラルネットワークの一種です。
と難しい用語も混ざっていますが、要は世界中の叡智を集結させて、質問に回答してくれるものです。
ときに、飯塚市は情報共有・情報発信の一手段として市民向けのLINEサービスを拡充させており、最近新しくバージョンアップも行いました。より使いやすく分かり易い画面構成になっています。
分かり易い画面構成ですね。最新の情報から、気になる情報は画面下の項目をタップすれば欲しい情報が得られるようになっています(たぶんですが)。特筆すべきは予約機能や通報機能、窓口混雑情報で、これは各機関のシステム的な情報共有ができていないと成り立たないため、IT化に向けた取り組みはとても進んでいるのではないかと思われます。
画面左下の「AIに質問」というアイコンをタップしてみましょう。
すると画面が遷移して質問の入力画面が表示されます。ここである質問を投げかけてみました。
筆者が投げた質問:福岡県飯塚市の魅力について語って下さい。
飯塚市AIチャットボットの回答:
こちらのことでしょうか。
ふるさと納税について
福岡県アピアランスケア事業について、飯塚市の助成
新型コロナウイルス:新型コロナウイルスについて
新型コロナウイルスワクチン接種について
新型コロナウイルス:市町村のイベント中止・公共施設休館等の状況について
対して、最新の対話型AIであるChatGPTに同じ質問を行ってみました。
ChatGPT(Model: GPT-4)の回答:
福岡県飯塚市は、九州の北部に位置し、自然と歴史、文化が豊かな魅力にあふれています。以下に、飯塚市の主な魅力をいくつかご紹介します。
自然: 飯塚市は、美しい自然に恵まれています。周辺には、筑後川や遠賀川といった河川が流れ、豊かな水源に恵まれた土地です。また、市内には山々や森林も多く、ハイキングやピクニックに最適なスポットがあります。
歴史と文化: 飯塚市は、古くからの歴史と文化が息づいています。飯塚市内には、多くの歴史的建造物や文化財があり、市内外から観光客が訪れます。代表的なスポットには、飯塚市立博物館や赤間神宮があります。
伝統工芸: 飯塚市は、伝統工芸の街としても知られています。中でも、飯塚縮(いいづかちぢみ)は、江戸時代から続く伝統工芸品で、高品質な綿糸を使った柔らかな手触りが特徴です。また、陶器や竹細工など、多くの工芸品が市内で生産されています。
地元のグルメ: 飯塚市は、地元の食材を活かしたグルメが楽しめる地域でもあります。特に、筑後川の鮎料理や、地元で育てられた野菜を使った料理が人気です。また、九州を代表する郷土料理である「もつ鍋」も、飯塚市で楽しむことができます。
地域のお祭り: 飯塚市では、年間を通じて様々なお祭りが開催されます。例えば、春には飯塚まつり、秋には飯塚どんたく祭りが開催され、地域の活気を感じることができます。また、神社やお寺で行われる祭りも多く、地域の伝統文化を体感することができます。
以上のように、飯塚市は自然、歴史、文化、伝統工芸、地元グルメ、そして地域のお祭りといった多彩な魅力を持っています。これらの魅力をさらに詳しく説明しましょう。
温泉: 飯塚市周辺には、いくつかの温泉地があり、観光客や地元住民に親しまれています。癒しの時間を楽しめる温泉地として、飯塚温泉や遠賀川温泉などが人気です。これらの温泉地では、温泉宿や日帰り温泉施設が利用でき、リラックスした時間を過ごすことができます。
スポーツとレクリエーション: 飯塚市は、スポーツやレクリエーション施設も充実しています。市内には、野球場やサッカー場、テニスコートなどのスポーツ施設があり、市民や観光客が楽しめます。また、筑後川を利用したカヌーやボート、釣りなどのアウトドアアクティビティも人気です。
アクセスの良さ: 飯塚市は、福岡市や北九州市といった大都市からのアクセスも良好です。福岡市からは、車や電車で約30分〜1時間程度で到着できます。また、飯塚市内にはJR筑豊本線が通っており、市内各地への移動も便利です。
地域コミュニティ: 飯塚市は、地域住民が密接につながり合い、コミュニティ活動が盛んです。地域の祭りやイベント、ボランティア活動などを通じて、住民同士が助け合い、交流を深めることができます。また、観光客に対しても親切で温かい接客が特徴的で、訪れた人々に良い印象を与えます。
これらの魅力を組み合わせることで、飯塚市は独自の個性と魅力を持つ地域となっています。観光客にも住民にも楽しめる多様な要素があり、訪れた人々に素晴らしい体験を提供してくれるでしょう。
いかがでしょうか。
質問して得た回答に対して「う~ん、これじゃない」と「そう!それが知りたかった」の違いです。
従来型のチャットボットと最新のチャットボットの違いがお分かりいただけると思います。
勘違いしてはいけないのは、決して飯塚市の導入するチャットサービスの出来がしょぼい訳ではないということです。利用者に対して適切な情報を迅速かつ分かり易く提供するためにはどういう構成であるべきか、またそれを実現するためには何が必要かを熟考した上でシステムを構築されているはずです。情報アクセスの容易さは課題と思いますが、そういう観点からは素晴らしいLINEアプリケーションであると思います。
折角なので、もう一つ質問してみます。もうすぐ飯塚市議会選挙が始まるので、
質問:初出馬で市議会議員選挙で当選するための作戦を立案してください。
という質問を投げてみます。
ChatGPT(Model: GPT-4)の回答:
自己紹介とビジョンの明確化: まず、自己紹介とビジョンを明確にし、選挙戦の目的と目標を設定しましょう。これには、自分の経歴、専門知識、そして地域に対する情熱を伝えることが含まれます。
ターゲット層の特定: 地域内のさまざまな年齢層、性別、職業、そして関心事に焦点を当てて、最も関心が高いであろう層を特定しましょう。これにより、選挙戦で重要な票を獲得することができます。
政策立案: ターゲット層のニーズに基づいて具体的な政策を立案しましょう。地域の課題や問題に対処するための解決策を提案し、有権者に説得力のあるメッセージを伝えることが重要です。
PR活動: 積極的に地域内でPR活動を行い、有権者とのコミュニケーションを図りましょう。これには、ポスターやチラシの配布、SNSを活用した情報発信、街頭演説や討論会への参加などが含まれます。
ボランティアチームの組織化: 選挙活動をサポートするボランティアチームを組織し、効果的な選挙運動を展開しましょう。ボランティアは、地域の人々との関係構築や情報収集に役立ちます。
ネットワーク構築: 地域内の関係者や有力者とのネットワークを構築し、選挙戦での支持を広げましょう。これには、地域団体や企業、NPOなどとの連携が含まれます。
ファイナルスプリント: 選挙期間中は、集中的な選挙運動を展開し、有権者の関心を最大限に引き出しましょう。街頭演説やSNSでの情報発信を強化し、最後の瞬間まで継続的なアピールを行いましょう。また、選挙戦の終盤には、選挙事務所でのイベントや討論会への参加を通じて、最後のアピールを行います。
投票日の対策: 投票日には、投票所周辺での立ち振る舞いや、選挙カーでの呼びかけなど、有権者に最後の印象を与えるための対策が重要です。また、ボランティアチームを活用して、投票所への誘導や投票のリマインドを行いましょう。
選挙後のフォローアップ: 選挙後には、支持者やボランティアに感謝の意を伝え、今後の活動について報告することが大切です。当選した場合は、選挙公約を実現するための取り組みを開始し、地域のために働く姿勢を見せましょう。落選した場合も、今後の活動や再挑戦の意思を示すことで、支持者との関係を維持できます。
このような作戦立案を通じて、初出馬で市議会議員選挙に当選する可能性を高めることができます。最も重要なのは、地域のニーズに応える政策を提案し、有権者に説得力のあるメッセージを伝えることです。地域に根ざした活動を行い、信頼を築くことで、選挙戦に勝利することができるでしょう。
上記の回答を得られました。基本的かつ的を射た答えになっているのではないでしょうか。更に追加で質問してみましょう。
質問:立案ありがとうございます。7のファイナルスプリントでSNSの情報発信を強化、とありますが、公職選挙法に抵触しない範囲で、選挙期間中に効果的なSNSの情報発信を考えてみてください。
という質問を投げてみます。
ChatGPT(Model: GPT-4)の回答:
公職選挙法に抵触しない範囲で、選挙期間中に効果的なSNSの情報発信を行うためには、以下のポイントに注意して活動を行うことが重要です。
選挙法の理解: 選挙活動を行う前に、公職選挙法の規定を理解し、遵守することが大切です。インターネット選挙運動の規制が緩和されているものの、まだ制限があるため、違反しないように注意が必要です。
オリジナルコンテンツの作成: 選挙期間中に効果的なSNS活用法は、自分自身や政策に関するオリジナルコンテンツを作成し、発信することです。例えば、政策の説明やビジョンを伝える動画、地域での活動を紹介する写真や記事など、有権者に情報を伝えるための資料を投稿しましょう。
双方向性のあるコミュニケーション: SNSを活用して、有権者と双方向のコミュニケーションを図りましょう。質問や意見に対して迅速かつ丁寧に対応することで、信頼感を醸成し、支持を集めることができます。
定期的な情報発信: 選挙期間中は、定期的に情報を発信し、有権者の関心を維持することが重要です。ただし、過度な投稿は避け、適切なタイミングで情報をシェアするようにしましょう。
地域コミュニティへの参加: 地域内のFacebookグループやTwitterハッシュタグなどを活用して、地域のコミュニティに参加しましょう。これにより、地域の課題やニーズに対してより敏感になり、適切な情報発信が可能となります。
シェアや拡散の促進: 支持者やボランティアに対して、SNSでのシェアや拡散をお願いすることで、情報をより多くの人に届けることができます。
上記のポイントに注意しながら、選挙期間中に効果的なSNSの情報発信を行いましょう。ただし、選挙期間中にSNSを活用する際には、以下の点にも留意しておくことが重要です。
ネガティブキャンペーンの回避: 選挙期間中は、競合候補に対する批判やネガティブキャンペーンを避け、自分の政策やビジョンに焦点を当てた情報発信を心掛けましょう。ネガティブキャンペーンは、有権者からの反感を招く可能性があります。
プライバシーの保護: SNSで情報を発信する際には、他人のプライバシーを尊重し、個人情報を無断で公開しないように注意しましょう。また、選挙活動に関連する写真や動画を投稿する際には、関係者の許可を得ることが望ましいです。
法律やSNSプラットフォームの規約遵守: 選挙活動を行う際には、公職選挙法をはじめとする関連法規や、SNSプラットフォームの利用規約を遵守することが重要です。違反が発覚した場合、選挙活動が制限されるだけでなく、信用失墜につながる恐れもあります。
AIが仕事を奪う時代が来るのはだいぶ先の話、とは言われていたものの、ChatGPT等の台頭により単純作業の自動化は人ではなくソフトウェアに代替するのは待ったなしの状況になりました。無論、会社経営の意思決定を行う経営陣が本技術の良さを理解しない限り、技術代替は行われません。どういう将来像を描いていくか、計画はスピード感を持った立案・実行が必要です。
忘れてならないポイントは、
AIは既存データを学習して推論結果を返しているため、未来への新しい情報、革新的なアイデアを生成してくれる訳ではない
AIの回答が全て正しい訳ではない。情報の確からしさは自身で確認すべきである
ということです。そこは人間の仕事です。
もし、今後ChatGPTのような対話型AIを業務に活用したい場合は、ソフト屋さんに
”ChatGPT活用”と”オンライン”を含めて相談すると話は早いと思います。間違えても同等クオリティの技術を1から作ってなどと要求しないように。数年がかり、数千億円単位のプロジェクトになってしまいますから。以上です。
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