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  • 執筆者の写真nakao

若者の脱炭素運動に感じる違和感の正体

先日、「未来のための金曜日」という運動を行っている若者で構成される団体が、約4万人分の著名を集め政府に提出したニュースが報道されました。しかし、およそ4万人もの著名が集まったにも関わらず、具体的な内容が報じられないこと、考えが読めないことへの違和感を覚えたため記事にしました。

 

本団体名「未来のための金曜日」は和名称であって、FridaysForFuture Japan (FFF Japan)が正式であり、2018年8月にグレタ・トゥーンベリさんの学校ストライキがきっかけとなって始まった気候危機への対策を求める運動です。

現在世界中にFridays For Futureの運動が広がっており、2019年月に日本で始めて活動が始まった際に、団体名後尾にFor Japanと付けFridaysForFuture Japanとなりました。


当団体によると、パリ協定(地球温暖化対策の国際的な枠組み)の掲げる目標の達成や、温暖化の影響がより大きい若者の意見を尊重し、多くの市民の声を聴いて政策を決めることなどを求める声明に対して、今月14日までに約4万人の署名が寄せられたということです。

このタイミングというのは、英国で開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に合わせた形とされています。


FFF Japanの公式サイトを見て筆者が考えるに、

エネルギーや気候変動政策は規模が大きいため、政策を誤ると将来日本を背負う若者への経済的ダメージが甚大であることを危惧する。しかしながらエネルギー基本計画をはじめ、日本政府の国民の意見を形骸化した形で決定事項だけを公表する姿勢がまともではなく民主主義的プロセスを踏んでいない。政策の立案段階からしっかりと議論する必要があるんじゃないのか?ということを訴えたいのだと推察します。


残念ながら、各々メディアが報じる内容は飽くまで行動に対する結果だけであって、内容まで深堀されず具体的に報じらることはありませんでした。

経済活動経験が無いであろう多くの若者が、斯様な行動を起こすことを好意的に捉えたいと思う反面、勘違いしてはいけないこと、危惧すべきことがあります。


[好ましいこと]

・自分の意見を述べ、政治に対しても発信してくことを是としない社会の在り方に変化をもたらす可能性があること

・手段・方法を周知できること


[勘違いしてはいけないこと]

・当団体活動において、経済ー環境の二者択一問題として捉えていない人もいること

・批判だけでは良くない。批判する場合、批判の理由や自分ならこうする、という意見をちゃんと持つこと。中傷は論外


[危惧すべきこと]

・訴えの論拠、根拠となる考えがないまま行動を起こすこと

・ニュースを見た他人の勘違い(事実ではあるが報道の情報不足)

・運動で掲げる訴えに対する理解ができていないこと(考えが甘い)

・マクロに物事を捉えることができていないこと(環境一点しか見えていないこと)

・考えなしに行動すること、根拠がないこと(感情論になりがち)

 

FFF Japanのような運動を誤った解釈のままでいると、訴求する側、される側双方にメリットは生まれません。むしろ好ましくない状況を作り上げてしまう可能性が高まります。

何にでも言えるかもしれませんが、インプットした情報を他人に伝えるときは、その情報が正しいのかを調べることが良いと考えます。シンプルですがベストです。


ちなみに、FFF Japanの公式サイトでは、今回の政府に提出した件について詳細な情報が記載されていませんでした(記載があったら申し訳ありません)。これでは団体の真意が何か分かりませんから、共感できない状態のままです。違和感の正体は情報発信の有無だと考えます。

今回の運動に対して、脱炭素社会の実現に向けて何を理解し、どう考えているのか、どういう姿であるべきか等の理由や目標を明確にし情報発信できていれば、また違った姿として報道されていたかもしれません。

日本では出る杭は打たれる文化とはよく言われるものの、どれだけ素晴らしいアイデアであっても、そもそも説明がない/ 出る杭が論理的でない/ どう考えてもおかしいと捉えられた場合は文化関係なく杭打たれます。単なる準備不足です。

しっかりと準備できた状態でようやく議論のテーブルに参加できる可能性を得られる、ということを、年齢問わずにこれから行動する方々に浸透していくことを願うばかりです。


参考:FridaysForFuture Japan(https://fridaysforfuture.jp/)

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