日本は政治教育、金融・経済教育が遅れている(というかほぼやっていない)国であることは既知の事実でしょう。テクノロジーが著しい発展を遂げている中、政治や金融・経済もまた進歩を続けているのです。義務教育課程でカリキュラムを導入すべきかどうかは別として、学習機会を増やしていく試みは必要でしょう。
飯塚市では2017年に飯塚小学生議会という議員の役割を体験し、市政やまちづくりについて考える取り組みを行いました。とても素晴らしい取り組みです。その後、このような取り組み継続については分かりませんが、論理的思考力を鍛えている中学~高校生、大学生も対象になって欲しいですね。
ここからは最近取り組みが注目されている地方自治体についての紹介です。
もっとたくさんあると思いますが、上記2件は直近のYahoo!ニュースに取り上げられるほどインパクトを残しています。注目を集めている理由は様々あるはずで、主にアクセスしているであろう大人たちからの需要がある故に主要ポータルサイトに掲載されています。飯塚市として他自治体と競争する必要は全くないと思いますが、政治教育の本質的な部分を抑えた上で機会創出を増やしていくのはこれから益々求められるであろうと思われます。
政治に参加してほしい←政治に興味・関心を抱いてほしい←政治教育が必要だ
という思考の流れがオーソドックスだと思います。ではどうすべきなのだろうか。
早い段階が良いのは言うまでもありませんが、文科省の教科用図書(教科書)記載のように重要単語や仕組みを覚えることが、最終的に「政治に参加して欲しい」にコミットするかは非常に微妙です。それで大きくズッコケているのが今ですから。内容構成は良くても、受験勉強的視点で、Q&Aだけ学習してしまうという日本の教育フローが障壁となってしまったことが原因なのかもしれません。
算数には答えがあっても、政治に答えはない(複数ある)のであれば、政治への参加は「考えること」をメインに据え置くことが大事でしょう。そういう意味では、飯塚市が実践した飯塚小学生議会は素晴らしい取り組みであったと思われます。
小学生に政治に興味関心や、社会参画する上で考える力を養うヒントが岩手大学の土屋直人教授の執筆論文に記載されています。政治参加というフレーズを前面に出さないため、生徒ら各々が自然と考える力を養う、政治に興味を持つきっかけとなり得る可能性があり、これから生徒・学生らに政治教育を考えている方は一読してみてはいかがでしょうか。
Title:
小学校社会科政治単元における「政治参加」学習の課題:若狭蔵之助「児童公園をつくらせたせっちゃんのおばさんたち」の再読から
JaLC DOI:
info:doi/10.15113/00015633
タイトル(英):
Issues Related to "Political Participation" Learning in the Elementary School Social Studies "Politics" Unit : A Study on Kuranosuke Wakasa's Educational Practice "Mother of "Sechan" who made the Local Government Create a Children's Park"
アイテムタイプ:
紀要論文 / Departmental Bulletin Paper
著者:
土屋 直人
著者(機関):
岩手大学教育学部社会科教育学研究室
登録日:
2022-04-28
雑誌名:
岩手大学文化論叢
巻11ページ:
109 - 126
発行年:
2022-03-17
ISSN:
09123571
出版者:
岩手大学教育学部社会科教育科
NCID:
AN10005256
著者版フラグ:
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