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  • 執筆者の写真tasuke

全国でも珍しい10年65億強の契約は本当に必要なのか?vol.1〜本議会編〜

更新日:2022年2月22日

飯塚市議会は前回行われた2021年12月議会においても様々な議案や請願について厳しくチェックしてきましたが、その中でも今回は多くの議員が本会議・委員会を通して質疑に時間を割いた「飯塚市水道事業会計補正予算(議案第104号)」について、3回に分けてお送りしたいと思います。


第1回目は12月10日に行われた本会議での川上議員と飯塚市とのやりとりです。まずは補正予算の中身=債務行為の内容についての質問から始まり、金額や契約年数の根拠についても細かく質問しています。また10年という長期の計画のため金額も高額となることから、業者を選定する選定委員の構成や癒着防止の考えなど、飯塚市に対しかなり突っ込んだ質問も見られます。


それでは、実際のやりとりを御覧ください。

※ここからは飯塚市のホームページに掲載されている実際の議事録のご紹介となります。


 


【川上議員】

債務負担行為に係る委託業務の内容を教えてください。


【飯塚市】

債務負担行為については、水道施設運転管理及び料金収納等の業務になっております。現在の委託期間が令和4年度までとなっておりますので、令和5年からの10年間の業務委託を実施するための債務負担です。内容につきましては、料金収納関連業務、メーター関連業務、電子計算処理システム、給水装置関連業務、水道管路関連業務、浄水場・配水池等の運転操作等が主なものとなります。


【川上議員】

浄水場関連の管理運転業務と料金収納という2本立てだと思いますけれど、これまで行っていた業務以外にプラスとなるものがありますか。


【飯塚市】

今回追加した内容につきましては、給水申請などの給水装置関連の窓口業務、管路施設等の修繕立会いなどの水道管路関連業務、水道メーターの管理や取替え、浄水場で使用する薬品の購入や簡易な修繕などの業務を追加しております。


【川上議員】

債務負担行為、これまで3年とか5年とかやってきましたけれど、今度10年なのです。35%も水道料金を上げていて、65億5千万円を1つの業者にぼんと出すのかと。市民は大変心配しているわけです。それで、債務負担行為、65億5千万円の根拠をお尋ねしたいと思います。



【飯塚市】

業務の内容に基づき、歩掛りや見積り等により積算し、設定しております。


【川上議員】

その答弁なら私がもう聞くまでもないです。それ以外のお金だったら、問題でしょう。65億5千万円という数字の根拠になる数字を。あなた方、35%も水道料金上げているわけでしょう。そして、65億5千万円のローンを市民にぼんとのせて、10年ローン。今のような答弁で、市民がああそうですかと言えないでしょう。私も言えません。少し丁寧に答弁してください。



【飯塚市】

運転管理業務において、税抜きで40億6893万5千円、料金収納等業務におきまして、税抜きで18億8664万7千円、合わせて、税抜きで59億5558万2千円。消費税込み合計で65億5113万8千円となっております。


【川上議員】

浄水場関係の管理運転、幾らと言われましたか。


【飯塚市】

消費税抜きで40億6893万5千円となっております。


【川上議員】

この中で、先ほどおっしゃった追加業務にかかる分はどれぐらいと見込んであるのですか。


【飯塚市】

追加業務につきましては、11億4946万5千円、税込みとなります。


【川上議員】

そうすると、先ほど2本立ての話をしていただいたのですけれど、従来との関係でいえば、65億5千万円の中に、約11億5千万円が加わっているわけですから、従来のものは54億円という考え方、業務としては。次は、この65億5千万円の財源は、私はもう水道料しかないだろうと思うのだけれど、確認をしたいと思うのです。ほかにありますか。


【飯塚市】

水道料金のほかに、下水道料金の収納業務も一部ありますので、下水道料金も入ります。


【川上議員】

それはどれくらいありますか。


【飯塚市】

収納の決算額によって案分いたしますので、ちょっと現時点では、はっきりとしたことが分かりません。



【川上議員】

大半は水道料ということで確認していいですか。


【飯塚市】

大半が水道料金で間違いありません。


【川上議員】

これはもう包括的民間委託が前提なのだけれど、ここで「議案108号」に関わるのですけれど、令和3年度から10年間、特定の民間業者を選んで、契約するのだけれど、選定方式は入札ではないのです。うちはこういう仕事の仕方をしますという提案方式なのです。仕組みをちょっと教えてもらえますか。


【飯塚市】

今回の業者選定に当たりましては、プロポーザル方式で行いたいと考えております。


【川上議員】

選定委員会を作りたいと、市長の下に。ということなのですけれど、何人で予定しているのですか。


【飯塚市】

8名以内を予定しております。


【川上議員】

過去の実績は何人ですか。


【飯塚市】

9名で実施しております。


【川上議員】

1人減らす理由は何ですか。


【飯塚市】

今回の委員構成につきましては、前回の選定の際には、市職員のみで構成された委員会でありましたが、今回から外部の委員を入れる予定としておりますので、その関係から8名以内としております。


【川上議員】

意味が分かりません。9人を8人以内にしたのは、なぜかと聞いたのですよ。


【飯塚市】

今回選定するに当たり、選定委員会の構成を考えた結果、8名以内がよいと考えましたので、8名以内と設定しております。


【川上議員】

石田さん、飯塚市議会では今の答弁は通用しない。私が考えたから、そうしたのだという答弁だ。どういう答弁なの。



【飯塚市】

今回、プロポーザル方式で選定することとしております委託業務について、委託する業務内容等を勘案して、この業務の業者を選ぶのに必要な人員を検討した結果が8人だったということで、減らしたということではありません。


【川上議員】

8人以下というけれど、今の答弁だと8人で決まっているのですね。


【飯塚市】

現時点では8名以内ということにしています。


【川上議員】

今まで職員が9人でやっていましたというのは事実ですか。


【飯塚市】

事実でございます。


【川上議員】

飯塚市のプロポーザルガイドラインがあります。何と書いていますか。


【飯塚市】

審査委員会の設置の中で、運営に当たっては、審査委員会は委員が5人以上で組織する。委員は所管部長、所管課長及び所管課職員が構成数の2分の1以上となってはならないものとする。審査委員会の設置、運営に当たっては審査委員会の設置要綱を策定するものとする。ただし、学識経験者等の外部委員を選任する場合は、附属機関設置条例の制定等の対応が必要となると書いております。


【川上議員】

済んだことだと、5年前のことだというふうに考えてはいけないと思うのです。そこで全員職員で選ぶ感覚、それに反省がないわけですから、今度1人減らした8人、外部の方も入ってもらおうと。しかし、反省がないわけだから、どういう方が入るのか関心があります。それで、この間の包括的民間委託は平成17年度から出発していると思うけれど、このところの委託業者の推移はいつからいつまで、どこそこ、債務負担行為は幾ら、委託料は幾らというのをお尋ねしたいと思います。


【飯塚市】

平成18年3月の合併以降の分で申し上げますと、すみません、債務負担行為の限度額は、現在、手元に資料を持ち合わせておりませんので、委託金額で説明させていただきます。平成18年に、太郎丸秋松浄水場運転管理業務委託を実施し、委託金額が2940万円、税込みとなっております。それから、飯塚市浄水場運転管理等業務委託を委託料が税込みで9439万5千円となっております。それから平成19年度から21年までが、飯塚市浄水場運転管理業務等委

託で、税込みで5億8061万8500円となっております。平成22年から24年までが、飯塚市浄水場運転管理等業務委託で、税込みで委託料が4億8699万円。上下水道料金収納等業務委託が税込みで2億3205万円。平成25年から29年までが飯塚市浄水場運転管理等業務委託、税込みで、消費税の改正があっておりますので、消費税改正後で14億6493万6千円。それから、今現在の飯塚市浄水場運転管理及び料金収納等業務委託が、消費税の改正後で19億3091万円となっております。


【川上議員】

業者の名前を聞かなかったですか。追加でお願いします。


【飯塚市】

平成18年の太郎丸と秋松浄水場の運転委託は、昭和メンテナンス工業株式会社です。飯塚市浄水場運転管理業務等委託は、水道機工株式会社となります。平成19年から21年までの、飯塚市の浄水場運転管理業務委託は水道機工株式会社、平成22年度から24年までの浄水場の運転管理等業務委託は株式会社データベース、上下水道料金収納等業務委託がフジ地中情報株式会社、平成25年度から29年までの飯塚市浄水場運転管理等業務委託が株式会社データベース。現在行っておりますのが、ケイ・イー・エス第一環境共同企業体となります。


【川上議員】

それで今回、債務負担行為が65億5千万円でしょう。それから、それを対比するために先ほど追加業務が発生した部分を除くと、債務負担行為が54億円です。それで、手元にないと言われたけれど、直近の委託に関わる債務負担行為は23億5千万円ぐらいです。これは5年ですから、だから10年と対比するために倍にする必要があります。そうすると今回、債務負担両方で比較します。そうすると、今回54億円なのです。直近で掛ける2をして、47億円。7億ぐらい下がるのです。これはどういうことか説明ができますか。


【飯塚市】

追加業務が先ほど言いました11億4946万5千円となりますので、追加業務がなければ、税込みで54億円程度になるかと思います。人件費の増やその他一般管理費等の増で、年間で税抜きで6千万円等の増が見込まれております。


【川上議員】

私は7億円の違いを聞いたわけです。今、6千万円は分かりました。あと6億4千万円は分からないです。


【飯塚市】

消費税抜きで、年間で6千万円ですので、10年間で大体6億6千万円程度になるかと思います。




【川上議員】

それは人件費ということですか。直近の5年間と、これからの10年間、人件費で。そうすると10年間で7億円というのは人件費ですということなのですね。いいですか。


【飯塚市】

人件費やその他一般管理費や物価上昇等の関連で、合計で税抜き6千万円と見込んでおります。


【川上議員】

そこのところを、もう少し分かるように言ってもらえますか。


【飯塚市】

人件費の増が10年間で税抜きで申し上げますと、約2億6千万円。その他、一般管理費等の物価上昇分が10年間で税抜きで3億4千万円と見込んでおります。


【川上議員】

その会社がそれだけ人件費を払うだろうということで、積算しているわけでしょう。


【飯塚市】

あくまで、積算上となっております。


【川上議員】

想定としては、その仕事に従事する方々は何人ぐらいですか。


【飯塚市】

総勢で85名程度を予定しております。


【川上議員】

10年間で2億6千万円、人件費が増えるというのは、その方々の賃金水準がそれだけ上がるということなのですか。それとも人数が倍になるとか、そういうことを想定しているわけですか。


【飯塚市】

5年前の設計段階と比べて、現在でそのくらい程度上がっていると見込んで設計しております。


【川上議員】

従事する方の人数、85人という設定は変わらないと。ご本人たちの給料が上がるでしょうというのが2億6千万円ということなのですね。


【飯塚市】

設計上ではそのとおりになります。


【川上議員】

一般管理費の3億4千万円の増というのは、どういうことになりますか。何ですか、一般管理というのは。


【飯塚市】

その他の増につきましては、システムや備品等の人件費以外に係る運転管理に関わる、歩掛り上の技術的な経費等の上昇によるものです。


【川上議員】

経済建設委員会において、ここのところの資料を提出していただいて、よく市民に分かるように説明していただきたいと。今のは債務負担行為と債務負担行為の話です。次は、債務負担行為と実績、委託料との関係をお尋ねするのですけれど、先ほど言ったように、今回債務負担行為は54億円です。新しい分を除けば。19億5千万円を除けば。これに対して、直近の委託料は5年間で19億3千万円という説明がありましたので、5年と10年を比較しますので、19億3千万円を2倍します。そうすると、38億6千万円。それで、54億円の負担行為に対してこれまでどおりだったら、38億6千万円しか委託料は出ないということになるわけです。この計算上で言えば、先ほど7億円の説明がありましたけれど、それを除いて考えると、単純に引き算すると15億4千万円の違いがある、債務負担行為と委託料見込みが。これに先ほど言った、分からない7億円を入れたとしても8億4千万円の差があるわけです。ちょっと説明してください。


【飯塚市】

現在、委託しております内容で申し上げますと、設定した債務負担限度額は税抜きで21億5329万円でした。そして、提案時に見積額を申請した業者が提案してきますが、その金額が17億6500万円、税抜きで提示してきております。約4億円弱が見積りで下がった金額となっております。


【川上議員】

よく分かりません。この債務負担行為同士で7億円の違いがあります。それから、債務負担行為と実績で15億4千万円の差があります。あなた方が見積もった中身というか、設計した内容というのもよく分かりません。これは、経済建設委員会でもやっていただけると思いますけれど、独自に調査もしたいと思います。それで、なぜ5年を10年にしたのかということをお尋ねしたいと思うのです。どうして10年間にしたのですか。




【飯塚市】

今回、水道施設の運転管理等に加えまして、新たに追加します水道管路の維持管理業務は、習熟することに一定の期間を要することから、期間を10年間と設定することで、安定した質の高いサービスを継続して提供ができると判断いたしました。また、契約更新時に発生します備品費や料金システムの開発費、それからデータ移行に関わる費用が1回で済みますので、初期費用を少しでも軽減、削減できるというところで導入いたしました。


【川上議員】

債務負担行為を10年間もうっていいのですか。10年ローンができるのですか、法律上。


【飯塚市】

国の財政法では、国庫債務負担の期限は原則5年以内と規定されておりますが、地方公共団体の上限については法律上の制限はありませんので、今回、議会で10年の必要性を審議していただき、認められれば問題ないと考えております。


【川上議員】

地方公共団体では、5年以上駄目ですという規定はないのですか。


【飯塚市】

ございません。


【川上議員】

絶対にないですか。


【飯塚市】

地方公共団体において、債務負担行為が5年以内という規定はございません。


【川上議員】

契約は10年でしょう。契約が10年というのは大丈夫なのですか。


【飯塚市】

債務負担行為が10年間認められれば、契約上は問題ありません。


【川上議員】

それは何かに書いてあるのですか。債務負担行為が10年認められれば、契約も10年認められるという。何か書いてあるのですか。


【飯塚市】

予算の裏づけがあれば、契約は問題ありません。


【川上議員】

そういうふうに書いているのですか、何かに。飯塚市は地方公共団体です。「飯塚市長期継続契約を締結することができる契約を定める条例」というのをあなた方は知っているでしょう。ちょっと説明してください。あなた方のさきの答弁と整合性が取れるかどうか。


【飯塚市】

長期継続契約については、債務負担行為としての議決を経ずして契約を行うものでありますので、今回は債務負担行為を設定して、契約するものでありますので、長期継続契約には当たらないものです。


【川上議員】

それは、この条例の中に書いてあるのですか。飯塚市条例第38号と書いてありますけれど。あなた方の解釈は、逐条解説か何か読んでいるのですか。


【飯塚市】

地方自治法に、債務負担行為について定める規定に関わらず、翌年度以降にわたり―――すみません。逐条解説に当たるかと思いますけれども、債務負担行為の議決を経ずして毎年度の経費予算の範囲内で給付を受けることができることが長期継続契約というふうに規定されておりますので、債務負担行為を設定したものについては、長期継続契約に当たらないと判断しております。


【川上議員】

これは経済建設委員会でも審査してほしいと思うのだけれど、この条例の中には今おっしゃったことは別に書いてない。それで、しかも基本的に5年を超えてはならないということになっているわけです。しかもその中で、「市長が特に必要と認める場合は、この限りではない。」ということまで書いているのだけれど、あなた方はこれにはとらわれないと、債務負担行為があればということを、今答弁しているのですか。


【飯塚市】

債務負担行為を設定すれば、この長期継続契約に当たらないと判断しております。


【川上議員】

それでは引き続き審査しましょう。それで、もう締めくくりますから。この間、上水道の事業、それから企業局になって、流れの中で、こういう巨額の契約を特定業者と水道料を原資として結んできたのだけれど、いろいろ事件がありました。公営事業の重要な部分を民間が、職員だけで選んだと言われているけれど、選ばれて、そこに濃厚な関係を、現職あるいはOB、企業局の幹部、議員らと濃厚な関係ができてくるということになると、公営企業としてまともな運営ができるかということになります。実際に現場で働いている労働者は、請負業者が変わっても基本的には変わらない。何が変わるかというと、知らない人が入ってくるという関係です。これが65億5千万円もかけて、10年間契約でやっていくということになってくると、癒着防止のために何か特別な努力をしなければならないと考えたと思うのです、あなた方は。どういうことを考えました。癒着防止のための規定、新たなこと、お尋ねします。


【飯塚市】

契約期間を10年とすることで業者との慣れ合い等が発生して、適正な業務ができなくなるのではないかというご心配だと思います。委託業者と適切な距離感、また指導監督により、業務を進めてまいりたいというふうに考えておりますが、今後、業務を開始するに当たりましては、運営状況等のチェック、もちろん今回提示します要求水準等が守られているか、モニタリング等の導入を今検討しているところでございます。


企業局の職員も公務員でございます。プロの公務員でございますので、今言われるような、特定の関係というのは、想定はしておりません。きっちり距離感を持って業務を遂行していくということでやっていきます。


【川上議員】

非常に重要な答弁をされましたね。私ども公務員ですから想定していませんと言われましたね。それが問題でしょう。そういうことだったら、ノーブレーキでいってくださいということですよ。政治倫理条例も要らない。公務員法も要らない。公務員法はあるのが前提でしょうけれど。現実に、市民に顔向けできないことが何度か現実に起こってきたではないですか。それに反省がないから、目をつぶるから、これから10年間、同じようなことが起こっても何も心配がないということを今おっしゃっているのではないのですか。違うのですか。

( 発言する者あり )

手も挙げずに反問してきたから。重ねて質問するということにいきましょう。あなた方のOBが、副市長になって旅行に行きましたね。


中身の問題ですよ。だから、この程度の反省しかない。なぜこういったことが起こったのかと。平成17年度から民間と濃厚な関係を続けてきて、巨額の委託費を払いながらやってくると、こういう無感覚になるのではないですか。これは指摘をしておきます。



 


このテーマについてのこの日のやりとりは以上です。

いかがだったでしょうか。かなり熱い発言も見られましたね。

この後、このテーマは「経済建設委員会(7名)」で詳しく議論(12/14)され、その場で一度採決をとったのち、もう一度本会議(28名)に戻され、質疑・討論を経て最終的な採決(12/17)となります。



動画:令和3年第6回飯塚市議会定例会(議案質疑、委員会付託)





も御覧ください!





引用元:飯塚市ホームページ(飯塚市議会>会議録>令和3年度>第6会定例会)より

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