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福岡県飯塚市・九州工大・アイティフォーなど、自治体での運用を想定したデジタルtoデジタルの社会実験を本格開始

更新日:5月30日

5月9日〜11日に各メディア媒体で紹介された、日本初、自治体での運用を想定したデジタルtoデジタルの社会実験に関するプレスリリースです。https://www.kyutech.ac.jp/archives/025/202205/press220509.pdf


【概要(プレスリリース抜粋)】

九州工業大学情報工学部は、社会人を対象とした情報教育支援士養成講座を開講しており、全講座の受講を修了した方には履修証明書を紙で発行してきました。しかし今回の実証実験では、この履修証明書をトラストサービス「電子交付システム」を用いて電子化します。修了生は証明書を専用アプリで飯塚市へ提出、市はその提出された履修証明書の真正性をシステム上で検証・確認の上、講師登録を行います。講師登録され、電子証書で認証された修了生は、飯塚市が10回程度開催予定の情報教育イベントや中学校・高校の授業に、講師や補助員として参加します。

1.開始:2022年5月から本格開始 2.実施場所:九州工業大学、および飯塚市 3.検証対象: [履修証明書発行元] 九州工業大学 [専用アプリ利用者] 九州工業大学情報工学部の情報教育支援士養成講座受講修了生 [履修証明書受領者] 飯塚市 4.各者の役割: 飯塚市・・・電子履修証明書の確認業務、講座受講修了生を対象とした講師等の認定業務 九州工業大学・・・被験者(講座受講修了生)の提供、電子履修証明書発行業務 アイティフォー・・・トラストサービス全体のシステムインテグレート、「デジタルtoデジタル」 プラットフォームの構築・運用 chaintope・・・証明書の真正性を担保するブロックチェーン基盤「Tapyrus」と、 アプリケーション開発技術の提供


【目的(プレスリリース抜粋)】

当実証実験では、九州工業大学が開講する情報教育支援士養成講座の履修証明書を電子発行し、講座修了生が専用スマホアプリで電子証書を受領、飯塚市へ電子的に提出を行い、証明書の真正性を検証確認の後、修了生が実務活用するといった一連の運用を実施します。これにより、ブロックチェーン技術を活用したトラストサービス「電子交付システム」の有効性を検証し、証明書発行業務の効率化、利便性の向上によるコスト・業務負荷の削減効果を実証します。さらに、「電子交付システム」によって認証された情報教育支援士が、実際に活動する場を公的に設けることで、地域のICT教育・リテラシーの向上や、人材の域内循環に対する相乗効果についても実証します。


 

 カタカナや専門用語が多くて、何が凄いことなのかピンとこない方もいると思います。

本記事では、各技術用語の細かい解説や本取り組みの仕組みについて掘り下げることは避けます。簡単にいうと何をやるのか、何が凄いのかについて記述します。


簡単に記載します。

本取り組みの内容:

大事な書類を電子データのまま運用できるかチャレンジする

本取り組みの目的:

・書類改竄の防止

・無駄な作業の撤廃(いわゆる業務効率化)

・「飯塚市ブロックチェーン推進宣言」に沿った活動実績を得る

・いかに便利なものかをみんなに知って欲しい(ここが民間/大学側の本心と思われます)



本取り組みで最も訴求したいことはコア技術というより、行政が前向きに関わっている、ということと推察します。簡単かつスピーディーに、そしてセキュリティが非常に高く、誰にとっても安全・安心なシステムを作るための実験です。

そして、冒頭で記載している「デジタルtoデジタル」というのは、そんなに難しい言葉ではありません。

例えば、

オフィスソフト(エクセルとかワードとか)で書いた書類を印刷しますよね?

オフィスソフトで書いた地点で、それはデジタルデータです。そのデジタルデータをわざわざ紙に印刷して物理媒体にして、またデジタル化して管理しているのが今の方式です。一方FAXはというと、

デジタルデータ→印刷(機種によっては省略化)→デジタルデータ(番号入力)→印刷(送付先で印刷)→必要に応じてスキャンしてデジタル化

という手順を踏みます。デジタルtoデジタルは

デジタルデータ(自分)→(システム)→デジタルデータ(相手)

という、最も理想的かつシンプルな姿になったものです。


パソコンで作った資料を電子メールで送りますよね?

これもデジタルtoデジタルです。


いやいや、こんなシンプルなこと何で今までやらなかったの?

と当然の如く疑問が出てくるでしょう。

  • 紙よりクラウド技術が信用できない。ところでクラウドって何?

  • FAXがないとダメ

  • 行政のルールで紙に印刷しないとダメ

  • 前例がないからダメ

  • 良く分からない技術は使いたくない

等々、とっくの昔に導入できたはずの仕組みを様々な理由を背景に拒否され続けてきたというのが実際のところと思います。携帯電話の所有率が9割を超え、さらにその中でもスマートフォンの所有率が約7割となった現在、アプリケーションを介したクラウド技術の社会実装が増えてきたことで、ようやくデジタルtoデジタルが「当たり前」となってきました。

それでもこの行政×民間×大学の取り組みは「日本初」なのです。

本来はトップである国が率先してデジタル化を導入すべきなのでしょうけれど、それを言い出したら何世紀かかるか分かりません。そのため、中規模の地方自治体である飯塚市が率先してデジタルtoデジタル、加えてブロックチェーンを交えた実証実験を行うことには大きな意味があるのです。成功した場合、成功事例として他の自治体もどんどん乗ってくると思われます。

日本初=他のどの自治体もやってないというのは、前例なき挑戦を意味します。前例のない実証実験に投資するにあたり、行政側でリスク云々の議論が多く交わされたことでしょう。その結果、実証ターゲットもスモールスタートで、将来の拡充を見据えた取り組みであることが読み取れます。

導入してやった感だけ出すのではなく、その後を意識するのは素晴らしいことです。意思決定をした市とその担当チームに賞賛を送りたい。そう思うITベンダーは多いことでしょう。

 
デジタルtoデジタルは簡単?難しい?
 

何をデジタルで共有するかによって異なります。例えば、写真や文書ファイルなどの個人間のデジタルtoデジタルは簡単です。PDFの見積書や請求書を貰って、クラウド上で管理するのもデジタルtoデジタルです。


今回の取り組みは、

大学側と行政側の、互いに複雑に構築されたシステム間でのデジタルtoデジタル化する、加えてより効果的なアルゴリズムと運用の仕組みを検証するから難易度が高いのです。

効果的なアルゴリズムと運用の仕組みの中に、ブロックチェーン技術の活用や、トラストサービス全体のシステムインテグレートが含まれています。

 
デジタル化の素晴らしさを身近に実感する方法の紹介
 

デジタル化は耳にタコができるくらい聞き慣れた言葉と思います。それを実感するHow toは残念ながら少ないのではないでしょうか。そこで、本記事をここまで見て下さった皆様にとっておきのデジタル化実感例をご紹介します。


飯塚市の誇りとも言うべき、大人気の回転寿司 一太郎はご存じですよね。そして、あまりの美味しさと人気で入店に50組待ちなど、凄まじい予約待ちが生じていることもご存じのことと思います。

どうしても今日は一太郎に食べに行きたい。でも行列が。。。


気持ちは非常にわかります。しかし、今後は心配無用です。なぜなら一太郎の予約システムのデジタル化連携、すなわち予約アプリがあるからです。How to を説明します。


無料の予約アプリ「EPARK」をスマートフォンにインストールします。

APPから「EPARK」を検索すると一発で出てきます。まずはインストールしましょう。


いいですか?本番はここからです。






画面中央の「今すぐ順番受付」ボタンから予約します。

自分の予約番号と、待ち組数がどこにいても確認できます。待ち組数はリアルタイムで更新されます。

一太郎に行くまでの時間を逆算しながら店舗に向かうことで、スムーズかつスマートに入店し、絶品寿司を堪能できます。

店舗に行って予約して順番がくるまでひたすら待つことを省略することができます。


もう一度言います。

このシステムを使うのは「タダ」です。お金払いたいくらい優秀な予約システムです。

これは店舗の予約システム情報(デジタル情報)とクラウドのアプリケーション(デジタル情報)、個人端末のアプリケーションを繋いだデジタル化の一例です。


一度体験すると、あまりの便利さに感動すら覚えることと思います。


今回のプレスに記載された実証実験は将来的な市民サービス実装を視野に入れています。もっと便利でスマートな世の中を実現するためには、先行して実証実験を行う必要があります。その第一歩を飯塚市が率先してチャレンジしています。

技術的な難しい部分はプロジェクトに関わる専門家に説明を求めるとして、良いものはいいと判断し挑戦する飯塚市を応援していきたいです。

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